ルーツな日記

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フジロック・ベスト5 第5位!

2009-08-02 17:14:29 | フジロック
ELI "PAPERBOY" REED & TRUE LOVES / ROLL WITH YOU

個人的フジロック・ベスト・アクト 第5位、イーライ・“ペーパーボーイ”・リード&ザ・トゥルー・ラヴズ です!

7月25日 オレンジ・コート 14:40 ~

とにかく熱かった! 気温がじゃないですよ。イーライ君のソウル魂が熱かったのです! 何度も何度も強烈なシャウトがオレンジ・コートを突き抜けました。まだ20代の若き白人シンガーなんですけど、その歌唱とサウンドはまるで60年代のソウル・ミュージックが舞い降りたような熱気とスウィートネスに溢れ、ただひたすらソウル道を邁進するかのようなイーライ君の姿には、熱さの中に爽やかさのようなものすら感じさせられました。

やはり注目はイーライ君の喉。アップ・テンポの曲では天をも切り裂くような強烈なシャウトと共にキレ味鋭い歌唱を聴かせ、スロー・ナンバーではじっくりどっぷりとサザン・フィーリングを染み込ませる。まるでソウルを絞り出すかのような力強くエネルギッシュな歌声が、オレンジ・コートの空気を鷲掴みにします。その迫真の歌声が、深いソウル愛に満ちた自作曲の魅力をさらに引き立たせます。そしてそんなオリジナル曲中心のセットリストに、ジャクソン5の「 I Want You Back」を挟むところがまた憎い。先日亡くなったマイケル・ジャクソンへのトリビュートなのでしょうが、これは盛り上がりましたね。この曲の格好良過ぎるギター・カッティングと、愛らしい歌メロは抜群の高揚感をもたらしました。

こんな選曲もそうなのですが、イーライ君はなかなかのエンターテイナーでした。ステージ狭しと動き回り、観客を煽りに煽る。そして腰を落としてシャウトする様には、やっぱりあの時代を伺わせ、私のようなソウル・ファンには堪らないものがあるのです。だいたいオープニングの時、バンド・メンバーに紹介され、サングラス姿も凛々しく片手を挙げて颯爽と登場したあのときから、何処か“昔ながらのスター”が持つオーラを纏ってましたからね。そしてそのバック・バンドを仕切るイーライ君の姿も堂に入っていて、時折ジェイムス・ブラウンの姿と被ったり。

で、もちろんこのバック・バンドも素晴らしかった! ドラムス、ベース、ギターに3人のホーン隊がつくという編成。随所でこのホーン隊が南部的な良い味わいを醸し出していましたが、個人的にもっとも痺れたのがドラムス!! このバンドは白人黒人の混合バンドで、ドラムスとベースのリズム隊は黒人なんですよね。この二人のグルーヴが強力で、私の腰は1曲目から完全に持っていかれました。特にドラムスの突っ込み具合は凄まじかった!うしろから嗾けるように“スタン!スタン!”とスネアを切れ込んでいく。イーライ・“ペーパーボーイ”・リード&ザ・トゥルー・ラヴズの本当の凄みは案外このリズムに有るのかもしれません。ライヴ仕様に曲のテンポが早くなっても、グルーヴのコクと深さは失われない。これぞ本物のファンク。この辺りもJBと被るんですよね~。

私の大好きな「Take My Love With You」もやりました。導入部分のシャウトは堪りませんでしたね~。そして必殺のシャッフルは当然のごとくスピード・アップ。強烈な南部ビートがカオスのようなファンクネスを産み出し、イーライの歌声もますます熱気を帯びていく。カッコイイ~! 最後は「(Doin' The) Boom Boom」だったかな?もうこれなんかはどうにでもなれ!って感じで、意味も分からず踊りながら「ブン!ブ~ン!」って叫んでました。最後はCDか何かを観客に向けて投げる大盤振る舞いで終了。

見終わった後、やっぱりソウル/ファンクって素晴らしいなと、なんかスカッとした気分になりました。実はこの時間、楽しみにしていたプリシラ・アーンのミニ・ライヴ&サイン会と被っていたのですが、こんなライヴを見せられたら諦めざるを得ませんね。また、前日の深夜にはパレスでのライヴもあったのですが、そちらは体力的に諦めました。狭いパレスでのイーライ・リード、さぞ熱かったことでしょう!観たかったな~。

それにしてもこのバンドのCDを初めてタワー・レコードで見つけて試聴したときは、今時信じられない程のヴィンテージ感に何処か秘境感すら感じた程でしたが、それから間もなくしてまさかフジロックで観ることが出来るとは! イーライ・リード、本物でした。





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