狐狸狐狸(こりこり)ばなし
2003年12月 歌舞伎座
2005年10月 歌舞伎チャンネル
待ってました!夢にまで見た!
”すっげぇ笑える”と聞いていただけに!!
日経新聞では「勘九郎・福助が喜劇の才能を発揮」と評された!
こういう誉め方って歌舞伎界ではあまり見られない。
福ちゃんは名誉な事なのだぁぁ。ハハハ。
この演目の「一幕見」
人気度が不明なので、入場30分前に集合したら、
我らの前には3人しかいなかった…。
玉三郎や猿之助。そして『勧進帳』の時等は、この時間でも、
10人程は並ぶというに…。とほほ。
こんなもんなのかぁ。なんだぁ。
世間で「勘九郎~。平成中村座~」って脚光浴びてても、
なぁんだこんなもんかぁ。(当時)
何度も観たい。一幕見(立見)でも観たい。ってヅカファン状態にさせてこそ
真のスターというものではないでしょーか。
中村屋~まだまだじゃ~ん。(あくまでも当時)
作:北條秀司
S36年、森繁久弥・山田五十鈴・十七代目中村勘三郎・三木のり平で初演。
H8年“新歌舞伎”として歌舞伎界にデビュー。
おきわという女が間男している。相手は色男坊主だ。
でも、最近坊主が新しい女を作ったらしい。
「離れない!離さない!」とわめく女に、
坊主は「亭主を殺したら一緒になってやろうよ」と囁く。
真に受けた女は亭主を毒殺。
晴れて夫婦になるはずが、
殺しても殺しても亭主があの世から戻ってくる!?
ホントに幽霊になったのか~?
おきわに中村福助。亭主は中村勘九郎(現・勘三郎)。
夫婦喧嘩は犬も食わないけど、ウホッホ~♪♪
長年連れ添った夫婦そのもの~♪♪
絶妙を通り越して日常~♪♪
女にモテモテの坊主が市川新之助(現・海老蔵)
「俺は、どうしてこう、女に惚れられるんだろうなぁ」
なんてぇ事言っちゃう。ったくぅ、ほざきやがれぇ(笑)
おきわの福助は坊主にゾッコン!!なもんだから、
浮気されたら包丁持って坊主に詰め寄ったり~。
亭主を火葬場で焼いた帰りに、
坊さんの腕にキュ~ッて、しがみついたり~。
これってどーみても現代の男と女だなぁ。
ドロッドロの愛憎劇のはずなのに、
笑いもたっぷりぷりぷりぷりっぷり~♪♪
「《厳流島》に行きたいな~」
「寒いわね。こんな時は《お~いお茶ね》」「
「あんた、《お液》にも凝ってたわね」
「うどんは何処がいいの?」
「やっぱり讃岐だろ」
「♪♪こんぴら船々 追手(おいて)に 帆かけて シュラシュシュシュ~」
二人花道より退場。(新之助繋がりのネタですね)
いやぁこの歌を振り付きでやったのか、手を取りあってたのか。
ここからでは花道は存在せず、空想すら出来ない…無念…。
“亭主を殺す!でも、生き返る!”
この繰り返しで、とうとう女房おきわはクルクルパ~に…。
しか~し、亭主の死は偽造工作だった!
「やっと自分だけのものになった」と亭主ニッコリ。
ところが、亭主が外出した途端、
女房が大変身~!な・な・なんと!
こっちも“偽造”阿呆であったのか~。
まだ坊主との関係続いてるらしいよー。やるなぁー。
おわり
「女と男の化かしあい。どっちが狐でどっちが狸?」
化かし化かされっていうけど、ものすっごくブラックだよぉぉぉ。
これをただの“コメディー怪談”なんて言うやつは阿呆だゼ!
人間そのもの。奥深いわぁぁ。
男と女。やばいねぇぇ。コワイねぇぇ。
ウエストエンドあたりで現代演劇として出来るストーリー。
昭和30年代に作った作品だけあって、めちゃめちゃ現代感覚。
ってことは”感情移入”出来ちゃうって事。
これって果てしなく珍しいことだと思う。
本家は大阪で、後に江戸の話に改訂したので
頭に「江戸みやげ」って付くんだと。
着物の光沢が美しく、醸し出す空気こそ“和”。
絹の質感って4階席からでも判るんだなぁ。心落着くもんだ。
お姫様のゴテゴテ模様が無くってもいいんだね。
ド派手なヅカ衣裳ばかり目にしていたもんで、つい。
内容の濃いいのは『人間万事廻燈籠』。ドッカンドッカン笑えたねぇ。
でも『浮かれ心中』の様にこなれてないから、
緊張感持って演ってたわよぉぉ。
そんでもって、若い新之助を
かわいがってるんだか、いたぶってるんだか。
一座に色男が入って来たから皆嬉しそうだぁ~。
☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。
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