一月 国立文楽劇場 第1部 6(土)
ハッピーエンドなんだよ。
文楽じゃ珍しいでしょ。
私がストーリーを覚えてるってのも
珍しいでしょ…。
土佐町松原の段
咲甫大夫&清馗
私 「あの2人兄弟やねんで」
母 「判る!」
私 「似てる?」
母 「そっくり」
私 「それやったら双子やん」
ここは大和の壺坂寺
茶屋にはツメちゃんがっ
お~ッ!オモロイ顔じゃ~。
ひょっとこ太郎と命名しよ~。
あの口で、お茶は飲めんじゃろ~。
でも、グイグイ飲んでいる。アッパレ~。
あッ!キューピーくんがやって来た。
いっつもオメメがパッチリね。
大夫&三味線も「元気にやれ!」
って言われてるんだろう。
賑やか。賑やか。さすが縁日やね~。
沢市の女房お里が通りかかって
献身的な彼女を誉めるツメちゃん達。
うちの山の神とは大~違いっちゅうわけね。
沢市内より山の段
床が回って一段と拍手が大~きい大~きい。
待ってました~!
さっきの明るさとは打って変わって…沢市の家。
住大夫&錦糸
出てきただけで、この場の情景創っちゃうヨ~。
針仕事をセッセとやっている里(文雀)
盲目の夫・沢市(文吾)の表情は暗い…。
文雀・文吾・住大夫・錦糸
QOO~ いぶし銀~
こう並ばれるとゾクゾクするゥ~。
お里が毎晩いなくなるのは浮気やないか?
疑っている沢市。
フ~ム、はたしてそうなんでしょうか、お里さん
「ソリヤ胴欲な、ソリヤ聞えぬエヽ聞えまセぬわいな」
あ、やっぱりそんな事してないのね
「三つ違いの兄様と」
お!出た出た。
ホントーは観音様に祈願してたのサ。
沢市は平謝り~~~。
ほんじゃぁまぁ、2人で一緒に壺坂へレッツゴー!
十九大夫&富助・龍聿
女房と夫を結ぶは杖1本。
それを伝って、ヒシヒシ感じる女房の愛情。
夫のくさる心を察する女房。
「信心も大切。でも病は気からヨ。
しおしおしないでパ~ッと歌いなはれ」
「酒も飲みなはれ」(それは言うてない!)
沢市が歌っている間に壺坂寺に到着。
グハ~ッ!ケッコ~高い所にある~。
よ~登ったなあ。
どうしても心が晴れない沢市に
「(略)とかく信心といふものは、気を長う歩みを運んで、
心を鎮め一心に、お縋り申せば
何事も叶へてやろとの御慈悲ぢゃわいの(略)」
なんだか、ハートに言葉が食い込んだ…。
っていうのもね、
行きの電車の中で『壺坂』の話になってね。
「信じていれば願いが叶う。そういう希望は、
こんな世の中だから、色んな家族に必要なことかも」
お母ちゃんが、しみじみ言ったのよー。
沢市「三日間ここで断食する!お前は家の用事をしておいで」
お里 「深い谷があるから注意してね」
独りになった沢市…
「お里ごめん。幸せになってくれ…」
ヒュ~ッ
落ちてったヨ~ 投身自殺だヨ~
残ったのは杖だけ…。
戻ってきたお里が、
月の光に照らされて見たものは!
夫の死骸ー。
「ここに連れて来た私が悪いんや~」
この世も見えぬ盲目の闇より、
闇の死出の旅、誰が手引をしてくれう、
迷はしやるのを観るやうで、いとしいわいの
この杖を渡しに行かなきゃ!
南無阿弥陀仏~。
お里の草履が、ヒュ~ッ落ちた。
私も、ヒュ~ッ落ちた。…眠りにぃ。
だって!円広志が~。
ここまで盛り上がってんのにー
あ~キラキラ輝く観音様(勘次郎)が見えるー。
お里の貞心と信心によって2人の寿命を延ばしてあげるヨ
夜が明けた。
ムックリ起き上がったのは沢市とお里!
ゾンビか!
「あの、お前はマアどなたぢやへ」
「コレ私はお前の女房ぢやわいな」
アハハ。
めでたし、めでたし。
最初は「またこの話か~」って引き気味だったけど、
終わってみたら、嗚呼、ほっこり
第2部は観れなかった…
『冥途の飛脚』
ご近所の松竹座で藤十郎が『封印切』を。
この話の続き『新口村』の一節を
またまたご近所の、新歌舞伎座で松井誠が!
三社参りならぬ、三劇場回り~。