アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)

2005年08月09日 | 文楽
2005年7~8月 国立文楽劇場

宝暦十一年(1761)四月

京都の桂川で四十代の男性と十代の女性の遺体が発見された。

この事件を脚色した上下二巻の世話物作品。


作者:菅専助(すがせんすけ)

初演:安永五年(1776)十月

場所:大坂堀江市の側の芝居、豊竹此吉座


石部宿屋の段

お伊勢参りの帰り道、宿屋にて。

14歳のお半は、洟垂れ丁稚の長吉に夜な々言い寄られ大迷惑。

偶然一緒になった隣家の長右衛門の部屋へ逃げてきた。



「ヲゝ、嫌な、寝間へ去んだら、またどんな事しをろやら、

お前の傍でとつくりと寝さして下さんせ。もう長吉づらにかかつて、

ろくに寝ぬのでわたしや眠たい」

「いかさま道理、ヲゝ、子供の事ぢや、そんならここへ入つて寝や」

と、一つ蒲団に仮枕、これぞ因果の始めとは、



♪男は狼なのよ 気をつけなさい♪(bySOS)

朝飯を呼び掛ける声に、長右衛門とお半が帯を締め直す。

お半は袂で顔を隠し、長右衛門はばつが悪そう。


20分休憩


なんだかロビーが暑くなってきたゾ。

これってクールビズ対策なのか?


六角堂の段 

既にあの夜の出来事は、噂となって駆け巡っている様子。

長右衛門の女房・お絹は、

「長」という字を使ったトリックを思いつく。


あ、暑い~。

寒がりの私が感じているのだ。やはり変なのだ。

冷房効いてないやんけぇぇぇ。


帯屋の段 

それは、お半の色の相手を長吉へ摩り替えること。

義理の弟・儀兵衛は笑いとばして信じない。

笑って笑って笑い尽くす。「横腹へこむら返りや~」客席も大笑いや~。


愉快なチャリ場で、暑さも忘れたゾっっ。

嘘です!ほぼ満席の場内、扇子ハタハタはためいてる~。


「アア、いかさま因果は車の輪、十五年以前、

宮川町の芸子岸野にのぼり、詰らぬ事で桂川へ心中に出たところ、

先へ岸野が身を投げたを、見るよりふつと死に後(おく)れ、

人の知らぬを幸ひに、その場を逃れ今日までは生き延びしが、

思へば最期の一念にて、岸野はお半と生れ変り、場所も変わらぬ桂川へ、

われを伴ふ死出の道連れ。ホウ、これこそ因果の罪滅し、さうぢや、さうぢや」

と観念し、桂川へと急ぎ行く、哀れを筆に書留め、噂の種とぞ


住大夫の声が遠くに聞こえる…。汗がたらりと…。

演者の方がライトでもっと暑いのだろうけど…。


長右衛門って、1度ならず2度までも”心中”するのね。

余程女どもが放ってはおかぬ良い男なのでありましょう。

初恋実らし、惚れた男と死ぬお半。

亭主亡き後、針のむしろで生きて行くであろうお絹。

どちらが女として幸せなんでしょーね。


道行朧の桂川 

なんと、長右衛門がお半をおぶっている。

年齢差をグロに見せます、感じます。


♪このひとだけは 大丈夫だなんて うっかり信じたら

駄目 駄目 アー駄目駄目よ♪(bySOS)


14歳といえども女は女。

狼の懐に自ら飛び込んでくる子羊が悪い。でもなぁ。

「間がさした」そう言い訳する。でもなぁ。


長右衛門は、最長老吉田玉男に代わって吉田玉女。

人形と人形遣いがドッキングしたような感じ。

さっきまでの色気とは、また違う色気がム~ン。


ム~ンとしてるのはそこだけやない。暑いぃぃ。

三味線さん大変やろーなー。手が汗ばんで。

全っ然、冷房入ってないわぁぁぁ。


石を袂に糸と針、繻子の帯屋と信濃屋の、娘々と呼ぶ声に、

見つけられじと足早に、転けつまろびつうしがせの、水上へとぞ




「本日は落雷のため、冷房が故障いたしましたことをお詫び申し上げます」

なんとっっ!!

”粗品”と書いた文楽劇場のタオルを貰って帰った。


大阪府内8万9000世帯が停電したんだと!

舞台に支障が無かったことが不幸中の幸い。

ま、貴重な経験したってことで。


☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。