「なんかくさい。ヘンな臭いがする~、この服。」
朝、制服のブラウスを着ようとした長女が言った。
「どれどれ・・?」・・・くんくん・・・ 「ちゃんのニオイ。」
ブラウスの隣のハンガーには次男のTシャツがかかっていた。
洗濯したはずなのにニオイがあった。
夏休みで次男が帰省したのだが、離れて住んでいるとニオイが違う。
寮のニオイなのか共同の洗濯機のニオイなのか部屋のニオイなのか・・、よく解らないが違うのだ。
名誉のために言っておくが、次男が強烈な体臭があるとかクサイとかでは決してない。
そういう長女も嘗ては帰省するたびに家のニオイがどうのこうのと言ったこともあった。
住んでる人にはわからないが玄関や居間に入ったときに独特のニオイがあるものだ。
うちの家も特別ニオイがあるようには思わないが、外から入って来た人には感じるであろうと思う。
ニオイのするものをつけているような風でもないのにニオイがする人がいる。その人が帰った後でも、「あの人来てたでしょ。」ってわかることもある。
たぶん、自分の周りにないニオイだから違和感を感じるのだろう。
私と同じように同居している友達が言った。
・・「おじいちゃんが先にお風呂に入っても汚いとおもわない。クサイとも思わないけど・・、娘が嫌がるだろうからおじいちゃんの後はお風呂のお湯を掃除すんねん。」
・・「うちもそうそう。」
一緒に住んでるとそうなるんだね。
血の繋がっていない他人同士が同じ家に住んで同じ物を食べて生活する。
他人には違いないのだが一緒に住むとそれ以上のものになるんだな・・。
普段特に考えたこともなかったけど、家族なんだ。