西村寿行 著
大きな木が好きだ。
山の中まで行かなくても、古くからある公園や学校、病院、邸宅などには
驚く程大きな木がある。見ているだけで快く力をもらえる気がする。
少年・広久は校庭の橡の木が切り倒されることを知り、ショック症状を起こした。
そして、伐採の日、現場監督がチェーンソーで足を切断した。
「ぼくがやった、町は幽霊町になる」と言い残して広久は姿を消す。
様々な噂が飛び交い、疑心暗鬼になる人々。
木のもつ力を理解し、広久と橡との関係を知る祖父・小吉は
日本でただ一人『樹医』と呼ばれる庭師である。
広久は「おじいちゃんは『樹医』だから樹木を救えないんだ。『呪医』にならなければだめだ!」
といい家を出てしまう。
植物と人間との関係を考えるとき、植物は軽んじられがちだ。
何も言わずただそこにいるようでいて、あらゆるものと深いつながりをもつ巨木。
黙って伐られてしまい、何事もなかったように思えても、実はその影響は限りなく大きい。
あとに若木を植えれば済むというものではないのだ。
広久は沈黙を守る植物がたったひとつ出したSOSのサインであり、反逆の象徴でもある。
そして共存の鍵でもあった。
個人的には文章のくどさがやや気になるが、これは樹医という存在を印象づけるための
テクニックと考えることもできる。
長い長い時間の価値、異種がともに生きていくことの難しさと大切さ。
これらをじっくり考えさせる作品だ。
大きな木が好きだ。
山の中まで行かなくても、古くからある公園や学校、病院、邸宅などには
驚く程大きな木がある。見ているだけで快く力をもらえる気がする。
少年・広久は校庭の橡の木が切り倒されることを知り、ショック症状を起こした。
そして、伐採の日、現場監督がチェーンソーで足を切断した。
「ぼくがやった、町は幽霊町になる」と言い残して広久は姿を消す。
様々な噂が飛び交い、疑心暗鬼になる人々。
木のもつ力を理解し、広久と橡との関係を知る祖父・小吉は
日本でただ一人『樹医』と呼ばれる庭師である。
広久は「おじいちゃんは『樹医』だから樹木を救えないんだ。『呪医』にならなければだめだ!」
といい家を出てしまう。
植物と人間との関係を考えるとき、植物は軽んじられがちだ。
何も言わずただそこにいるようでいて、あらゆるものと深いつながりをもつ巨木。
黙って伐られてしまい、何事もなかったように思えても、実はその影響は限りなく大きい。
あとに若木を植えれば済むというものではないのだ。
広久は沈黙を守る植物がたったひとつ出したSOSのサインであり、反逆の象徴でもある。
そして共存の鍵でもあった。
個人的には文章のくどさがやや気になるが、これは樹医という存在を印象づけるための
テクニックと考えることもできる。
長い長い時間の価値、異種がともに生きていくことの難しさと大切さ。
これらをじっくり考えさせる作品だ。
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