坂東眞砂子 著
明治時代、越後の寒村に旅芸人がやってくる。
そこから始まる物語は、閉塞感に満ちた土俗的なものばかり。
“やまんば”の話はいたるところで聞く。
昔ばなしにはよく出てくるモチーフだ。
男目線の恐怖と女目線の恐怖。
男は無邪気だ。決して疑わず正義のみを信じる。
怖いものは怖い。背景よりも何よりも伝承そのものの話が好きだ。
女はそのあたりリアルである。そして合理的だ。
時代を超えて少しずつかわっていく想い。
何十年もの時を経て、物語の舞台は再び最初の場所へと戻っていく。
裏切りも悲しみもあったけれど、なぜか未来を予感させる
そんなパワーを感じた一冊だ。
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