息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

山妣

2012-03-04 10:47:13 | 坂東眞砂子
  


坂東眞砂子 著

明治時代、越後の寒村に旅芸人がやってくる。
そこから始まる物語は、閉塞感に満ちた土俗的なものばかり。

“やまんば”の話はいたるところで聞く。
昔ばなしにはよく出てくるモチーフだ。
男目線の恐怖と女目線の恐怖。
男は無邪気だ。決して疑わず正義のみを信じる。
怖いものは怖い。背景よりも何よりも伝承そのものの話が好きだ。
女はそのあたりリアルである。そして合理的だ。

時代を超えて少しずつかわっていく想い。
何十年もの時を経て、物語の舞台は再び最初の場所へと戻っていく。
裏切りも悲しみもあったけれど、なぜか未来を予感させる
そんなパワーを感じた一冊だ。

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