哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

週刊東洋経済8/14-21合併号

2010-08-14 02:02:02 | 時事
 掲題雑誌が、実践的「哲学」入門というテーマで特集を組んでいる。もちろん、あのマイケル・サンデル氏のベストセラー本がきっかけであることは間違いない。氏のインタビューや講義内容紹介もある。ちょうどNHKも再放送をしているそうだ。

 経済雑誌で「哲学」特集とは、なかなかの見識かと思いきや、そうでもなさそうだ。表紙の特集テーマの“実践的「哲学」入門”の前にこういう言葉が置かれている。“混迷する現代社会を生きるビジネスパーソンのための”という言葉だ。これを池田晶子さんが見れば、それこそ「喝!」だろう。

 現代が混迷しようが、ビジネスパーソンが生きにくかろうが、そのために哲学を学ぶというのであれば、そもそも哲学を学ぶということがどういうことかを分かっていないと池田さんなら言うであろう。哲学は決して“不安を解消する手助け”なんぞなりはしない。その、生きているということそのものが一体何なのか、生存つまり存在とは何かを考えることだと常々池田さんは言っている。

 さはさりながら、この雑誌の中の「厳選!!哲学・思想書20冊」において、池田晶子さんの『帰ってきたソクラテス』等のソクラテスシリーズが推薦されているのはうれしかった。どうも哲学入門本として捉えられているのは、ちょっとした勘違いだろうが、それでも一人でも多くの人が手にとってくれればうれしい。