哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

高齢者行方不明その3

2010-08-09 22:06:06 | 時事
 100歳以上の高齢者が数十人所在不明であることについて、韓国など海外メディアでは、統計の厳格な日本だと思っていたのに、いい加減な内容に驚いたと報道されているそうだ。今回の行方不明者の所在がわからないままになることによる統計上の誤差はどの程度になるのだろうか。さすがに数十人程度だと、あまり大きな影響がないような気がする。

 そもそも統計といっても、今回の話のもともとは戸籍上生きていることになっているかどうかだろう。確かに日本の戸籍制度はかなりきちんとしているとは聞いているが、今回の話以前にも戸籍の問題が報道されたことがあった。全く記憶ベースの話だが、確か嫡出推定の問題で、再婚後の夫との子なのに、離婚から日にちを経ずに生まれたため前夫との子になってしまうので、あえて戸籍に載せないということだったと思う。このような子供たちは、戸籍に載っていないため、パスポートも取れないという。

 戸籍というものの存在は、一般生活においてあまり意識することはないが、いざ相続というときになると、戸籍を調べざるをえない。そして相続人を確認しようとすると、そのうち行方不明になっていたり、親族と全く疎遠な人がいたりする。さらには内縁の配偶者が相続できなかったり、笑う相続人(被相続人とほとんど付き合いがなかったのに遺産が転がり込むことをいう)が発生したりするわけだ。

 戸籍制度が優れていても、その結果発生することはなんと滑稽なことだろう。戸籍上生きていることこそが生きていることだ、と法治国家ではなるのだろうが、生きるということはもっと自由なことだと池田晶子さんなら謂うに違いない。