哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

高齢者行方不明その2

2010-08-07 21:44:00 | 時事
 報道では、高齢者が所在不明であると同時に、年金がずっと払われているケースもあるという。一時期、死んだことを隠して年金不正受給をしたことが問題になったことがあったが、行方不明のまま家族が年金受給をしたケースがどう扱われるのか、報道を見ていてもあまりコメントされていない。そもそも「行方不明」であり、死亡していないのだから年金受給そのものは問題ないだろう。家族が口座を管理している以上、高齢者自身が家族に託して出て行ったともいえる。そうなれば、その金銭を使ったとしても問題ないだろう。要するに合法的に年金受給を続けられるというわけだ。まあ、池田晶子さんに言わせれば、所詮金銭の話であり、何の興味も持ってもらえないだろうが。

 とりあえず相当期間行方不明である以上、これから失踪宣告を申し立てるしかない。これは家族が行わなくても、行政で行うことができる。問題は失踪の時期だろう。家族の話をもとに失踪した時期を決めるしかないが、失踪した時期以降7年間を経過した時点が死亡した時となる。それ以降受給した年金がどうなるか。法的見解ではおそらく不当利得として返還しなければならないだろう。もしその金銭をもう使ってしまったとすれば、それでも返還を求められるだろうか。民放703条によれば、不当利得は現存する範囲で返還すればよいから、おそらく消費してしまっていれば返還しなくてよいのだろう。

 行方不明中受領した年金が返還不要になったとして、けしからんといっても仕方がない。死亡も年金制度も決め事にすぎないのだから。