哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

願望の行く末

2010-07-13 22:07:07 | 時事
 願望は所詮願望だから実現しない。だから“願望”なのだろう。民主党の参院過半数はならなかったが、まだ自民党との大連立という手はある。消費税は同じ10%と言っているし、民主党のかなりのメンバーが元自民党ではなかったか。まあしかし、それも“願望”でしかないだろう。

 こんな政治の状況を池田晶子さんならなんて書くか。やはり国会審議が停滞しようがどうしようが、そのような政治なんぞに興味はないと書きそうだ。


「ああいう人々(政治家)は私の精神活動において、およそ「批判」の対象になど、なり得ないのである。猿や狸の行動様式について、人間が理性により批判を加えるものだろうか。・・どう転んでも、私が政治に興味をもてないのは、やはり根本的な「別種」「異種」「異生物」の感覚によるようである。」(『考える日々Ⅲ』より)


 池田さんは、ほとんどの政治家に見られる精神性の欠如を嫌っているのだ。しかし、一方でスケールの大きい政治家(ナポレオン、シーザー、信長)にはある種の精神性を感じるという。それらの政治家の行動原理、パッションとは、「権力」に尽き、このように全世界を我が意のままに操りたいという欲望は、池田さんにもあるという。哲学によって天下を取るというのである。池田さんは既にこの世の人でなくなったが、まだまだ言葉は天下を取るべく駆け巡り続けているのである。


 池田さんの言っていることは、本当にスケールが違うので、凡人には着いて行きがたいが、読んでいるうちに国会の停滞なぞどうでもよくなってきた。