レア・アース(Rare Earth Elements、略してREE)が時々、話題になります。希土類元素と呼ばれ、Wikipediaによると、周期表上の第3族のうち(第4周期から)第6周期までの元素を指すそうです。高校入学時点で文科系を志望し、物理は落第しない程度の勉強しかして来なかった食わず嫌いの私にはチンプンカンプン、ここで物理の話をするつもりはありません。
先日、と言っても、3月半ばのことですが、アメリカである法案が下院に提案されたのをご存知の方もいらっしゃるでしょう。中国はレア・アース市場の97%を占有し、2012年には中国の輸出余力がなくなる恐れがある状況は、米国の国家安全保障上、由々しき問題であり、米独自のサプライ・チェーンを構築するため、早急に政府主導で政策機関を設けワーキング・グループを始動させるべき、というものでした。
需給がタイトでアメリカが危機感をもつというレア・アースは、先端技術に不可欠の希少金属元素で、いくつか例を挙げると、
□ ハイブリッド電気自動車に搭載するハイブリッド・バッテリーには、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、ディスプロジウム(Dy)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)、セリウム(Ce)
□ コンピューターのハード・ディスク、携帯電話やカメラには、ネオジム、プラセオジム、テルビウム、ディスプロジウム。
□ エネルギー効率が高い照明には、ユウロピウム(Eu)、イットリウム(Y)、テルビウム、ランタン。
□ 光ファイバーには、ユウロピウム、イットリウム。
□ 光学ガラスには、ランタン、セリウム、ユウロピウム。
といったように、日本のような技術立国においても由々しき事態のようです。
埋蔵量では世界の30%を占めるに過ぎないと言われる中国が、世界のマーケットの97%を占めるに至ったのは、産地がインド、オーストラリア、ブラジルなどに偏在している上、中国企業が安値攻勢で市場を席巻したり、リーマンショックで資金繰りが悪化した他国の鉱山を中国系企業が買収するなど、いろいろ事情はあるようですが、それがアメリカをはじめとする各国の不安や危機感を煽るようになった背景には、中国の政策の変化があるようです。中国の経済・社会発展第11次5ヶ年計画(2006~2010年)で謳ったように、レア・アースの資源保護と先端産業への利用拡大を続けてきたのは良いとして、2009年9月には、中国・産業情報技術省が政府に提出した、2015年に向けたレア・アース関連産業の発展計画案の中で、レア・アースの資源保護強化策を盛り込んだことに、各国は神経を尖らせているというのです。
たかだか1億強の人口を抱える日本の経済成長は、一時的に工業製品を大量に輸出することで、他国の産業に打撃を与えたことがありましたが、前回、述べた通り、中国等の新興国が台頭するにつれ、今では見る影もありませんし、内需拡大は一向に進まず、せいぜい金持ちになった一部の日本人が、パリのルイ・ヴィトンやエルメスで高級品を買い漁ることが話題になったところで、高が知れていました。ところが、公称13億人、一人っ子政策のもとでも産み続け、過料を避けるために無届の人口も加えると14億とも15億とも言われる中国の経済成長は、その工業生産力もさることながら、消費の潜在力も莫大で、その成長はいずれ世界経済に少なからぬ影響を与えると、かねがね懸念されて来ました。
今年の正月、最高級の初マグロが香港の富豪に競り落とされたニュースは記憶に新しいですが、漁獲量が減る高級マグロが、今後、所謂中間層の裾野が広がる一方の中国人に買い占められることを心配するのは、決して冗談にならないでしょうし、杞憂とも言えないでしょう。今後20~30年のスパンで見れば、中国などの新興国だけではなくアフリカ諸国などの予備軍も控え、希少資源だけでなく、水やエネルギー資源、食料などの獲得競争が世界規模で激化して行くのでしょう。戦略的なゴリラね、って言われるような取り組みが求められますね(そういえばあのゴリラくんは、ENEOS(新日本石油)所属でした)。
先日、と言っても、3月半ばのことですが、アメリカである法案が下院に提案されたのをご存知の方もいらっしゃるでしょう。中国はレア・アース市場の97%を占有し、2012年には中国の輸出余力がなくなる恐れがある状況は、米国の国家安全保障上、由々しき問題であり、米独自のサプライ・チェーンを構築するため、早急に政府主導で政策機関を設けワーキング・グループを始動させるべき、というものでした。
需給がタイトでアメリカが危機感をもつというレア・アースは、先端技術に不可欠の希少金属元素で、いくつか例を挙げると、
□ ハイブリッド電気自動車に搭載するハイブリッド・バッテリーには、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、ディスプロジウム(Dy)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)、セリウム(Ce)
□ コンピューターのハード・ディスク、携帯電話やカメラには、ネオジム、プラセオジム、テルビウム、ディスプロジウム。
□ エネルギー効率が高い照明には、ユウロピウム(Eu)、イットリウム(Y)、テルビウム、ランタン。
□ 光ファイバーには、ユウロピウム、イットリウム。
□ 光学ガラスには、ランタン、セリウム、ユウロピウム。
といったように、日本のような技術立国においても由々しき事態のようです。
埋蔵量では世界の30%を占めるに過ぎないと言われる中国が、世界のマーケットの97%を占めるに至ったのは、産地がインド、オーストラリア、ブラジルなどに偏在している上、中国企業が安値攻勢で市場を席巻したり、リーマンショックで資金繰りが悪化した他国の鉱山を中国系企業が買収するなど、いろいろ事情はあるようですが、それがアメリカをはじめとする各国の不安や危機感を煽るようになった背景には、中国の政策の変化があるようです。中国の経済・社会発展第11次5ヶ年計画(2006~2010年)で謳ったように、レア・アースの資源保護と先端産業への利用拡大を続けてきたのは良いとして、2009年9月には、中国・産業情報技術省が政府に提出した、2015年に向けたレア・アース関連産業の発展計画案の中で、レア・アースの資源保護強化策を盛り込んだことに、各国は神経を尖らせているというのです。
たかだか1億強の人口を抱える日本の経済成長は、一時的に工業製品を大量に輸出することで、他国の産業に打撃を与えたことがありましたが、前回、述べた通り、中国等の新興国が台頭するにつれ、今では見る影もありませんし、内需拡大は一向に進まず、せいぜい金持ちになった一部の日本人が、パリのルイ・ヴィトンやエルメスで高級品を買い漁ることが話題になったところで、高が知れていました。ところが、公称13億人、一人っ子政策のもとでも産み続け、過料を避けるために無届の人口も加えると14億とも15億とも言われる中国の経済成長は、その工業生産力もさることながら、消費の潜在力も莫大で、その成長はいずれ世界経済に少なからぬ影響を与えると、かねがね懸念されて来ました。
今年の正月、最高級の初マグロが香港の富豪に競り落とされたニュースは記憶に新しいですが、漁獲量が減る高級マグロが、今後、所謂中間層の裾野が広がる一方の中国人に買い占められることを心配するのは、決して冗談にならないでしょうし、杞憂とも言えないでしょう。今後20~30年のスパンで見れば、中国などの新興国だけではなくアフリカ諸国などの予備軍も控え、希少資源だけでなく、水やエネルギー資源、食料などの獲得競争が世界規模で激化して行くのでしょう。戦略的なゴリラね、って言われるような取り組みが求められますね(そういえばあのゴリラくんは、ENEOS(新日本石油)所属でした)。
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