五條市東阿田町にある『梨の花農園RIKAEN』。
二十世紀梨の栽培で全国の先駆けとなったのが、吉野郡大淀町と五條市東阿田町にまたがる大阿太高原でした。この地は、現在も奈良県内で最大の梨の生産地です。
梨文化を発信する団体「梨の花プロジェクト」さんが運営する、「梨の花プロジェクト拠点ファーム RIKAEN」は、約1万平方メートルの敷地に、梨の花園と梨の果樹園エリアに分かれていて、花園では、花を観賞するための梨が育てられています。
農園は私設公園として一年中無料開放されており、園内で休憩や飲食もできます。
梨の花が咲く4月中旬には、ライトアップイベント「梨灯り」やマルシェなども開催されます。
4月15日訪れました。
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農園、カフェへの入り口。
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中へ入ります。
右手が果樹園エリアです。
左手の花園には、手造りの遊具、アスレチックなどが設けられています。
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手書きの説明版がたてられています。
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「梨の花」
今年は開花(雄しべが濃いピンク状)が早く、ほとんど花は咲き終わってる状態との事。
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実が出来たころに「梨」を買いに、来年は満開の花を見に来られたら・・・の思いで、併設された「cafeあだむる」で休憩しました。
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近くに、花岡大学さんの碑が建っています。
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名作「百羽のつる」の一説を刻んでいます。
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「花岡大学」
大淀町佐名伝の浄迎寺(じょうこうじ)で生まれた、児童文学作家(童話作家)です。(1909-1988)
浄迎寺の如是庵(如是は大学の雅号)を拠点として、個人雑誌「まゆーら」、小学校国語に取り上げられた作品「おおきなかぶら」や「請願寺のこどもたち」等を編集・執筆し、子どもの立場から仏教の教えに根ざした世界を描く、「仏典童話」を確立しました。また『吉野風土記』を編集し、吉野の郷土史研究にも大きく貢献しました。
晩年の昭和61年(1986年)、その功績を顕彰するため、大阿太高原梨園内に「花岡大学童話碑・百羽のつる」が、清水公照・元東大寺長老の揮毫を得て建立されました。
「百羽のつる」
冷たい月の光で、こうこうと明るい、夜更けのひろい空でした。
そこへ、北の方から、真っ白な羽を、ヒワヒワとならしながら、百羽のツルが、飛んできました。百羽のツルは、みんな、同じ速さで、白い羽を、ヒワヒワと、動かしていました。 首をのばして、ゆっくりゆっくりと、飛んでいるのは、疲れているからでした。なにせ、北の果ての、さびしいこおりの国から、昼も夜も、休みなしに、飛び続けてきたのです。だが、ここまで来れば、行き先は、もうすぐでした。
楽しんで、待ちに待っていた、きれいな湖のほとりへ、着くことができるのです。
「下をごらん、山脈だよ。」と、先頭の大きなツルが、嬉しそうに、言いました。みんなは、いっときに、下を見ました。黒々と、いちめんの大森林です。雪をかむった、高い峯だけが、月の光をはねかえして、はがねのように、光っていました。「もう、あとひといきだ。みんな、がんばれよ。」百羽のツルは、目を、キロキロと光らせながら、疲れた羽に、力を込めて、しびれるほど冷たい、夜の空気をたたきました。 それで、飛び方は、今までよりも、少しだけ、速くなりました。もう、あとが、しれているからです。残りの力を、出しきって、ちょっとでも早く、湖へ着きたいのでした。
するとその時、一番後ろから飛んでいた、小さな子どものツルが、下へ下へと、おち始めました。
子どものツルは、みんなに、内緒にしていましたが、病気だったのです。ここまでついてくるのも、やっとでした。みんなが、少しばかり速く飛び始めたので、子どものツルは、ついていこうとして、死にもの狂いで、飛びました。それが、いけなかったのです。あっという間に、羽が、動かなくなってしまい、吸い込まれるように、下へおち始めました。だが、子どものツルは、みんなに、助けを求めようとは、思いませんでした。もうすぐだと、喜んでいる、みんなの喜びを、壊したくなかったからです。黙って、グイグイとおちながら、小さなツルは、やがて、気を失ってしまいました。
子どものツルのおちるのをみつけて、そのすぐ前を飛んでいたツルが、鋭く鳴きました。すると、たちまち、大変なことが起こりました。前を飛んでいた、九十九羽のツルが、いっときに、さっと、下へ下へとおち始めたのです。子どものツルよりも、もっと速く、月の光をつらぬいて飛ぶ、銀色の矢のように速く、おちました。そして、おちていく子どものツルを、追い抜くと、黒々と続く、大森林のま上あたりで、九十九羽のツルは、さっと羽を組んで、一枚の白い網となったのでした。すばらしい九十九羽のツルの曲芸は、見事に、網の上に、子どものツルを受け止めると、そのまま空へ、舞い上がりました。
気を失った、子どものツルを、長い足でかかえた先頭のツルは、何事もなかったかのように、みんなに、言いました。
「さあ、もとのように並んで、飛んでいこう。もうすぐだ。がんばれよ。」 こうこうと明るい、夜更けの空を百羽のツルは、真っ白な羽をそろえて、ヒワヒワと、 空の彼方へ、次第に小さく消えていきました。(大淀町サイトより転記)
二十世紀梨の栽培で全国の先駆けとなったのが、吉野郡大淀町と五條市東阿田町にまたがる大阿太高原でした。この地は、現在も奈良県内で最大の梨の生産地です。
梨文化を発信する団体「梨の花プロジェクト」さんが運営する、「梨の花プロジェクト拠点ファーム RIKAEN」は、約1万平方メートルの敷地に、梨の花園と梨の果樹園エリアに分かれていて、花園では、花を観賞するための梨が育てられています。
農園は私設公園として一年中無料開放されており、園内で休憩や飲食もできます。
梨の花が咲く4月中旬には、ライトアップイベント「梨灯り」やマルシェなども開催されます。
4月15日訪れました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/d8/47934f76a43d750133621883f5be982f.jpg)
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農園、カフェへの入り口。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/b7/b07015d115e93ba34d7fc8f22f0dfc07.jpg)
中へ入ります。
顔出しパネル
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右手が果樹園エリアです。
ネコバスがいます。
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トトロもいます。
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トトロもいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/2f/22331c6aa83ee2f184cd53b2480bff27.jpg)
左手の花園には、手造りの遊具、アスレチックなどが設けられています。
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手書きの説明版がたてられています。
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「梨の花」
今年は開花(雄しべが濃いピンク状)が早く、ほとんど花は咲き終わってる状態との事。
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実が出来たころに「梨」を買いに、来年は満開の花を見に来られたら・・・の思いで、併設された「cafeあだむる」で休憩しました。
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近くに、花岡大学さんの碑が建っています。
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名作「百羽のつる」の一説を刻んでいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/2a/9091c6c4f739185c925c68c21b326f76.jpg)
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「花岡大学」
大淀町佐名伝の浄迎寺(じょうこうじ)で生まれた、児童文学作家(童話作家)です。(1909-1988)
浄迎寺の如是庵(如是は大学の雅号)を拠点として、個人雑誌「まゆーら」、小学校国語に取り上げられた作品「おおきなかぶら」や「請願寺のこどもたち」等を編集・執筆し、子どもの立場から仏教の教えに根ざした世界を描く、「仏典童話」を確立しました。また『吉野風土記』を編集し、吉野の郷土史研究にも大きく貢献しました。
晩年の昭和61年(1986年)、その功績を顕彰するため、大阿太高原梨園内に「花岡大学童話碑・百羽のつる」が、清水公照・元東大寺長老の揮毫を得て建立されました。
「百羽のつる」
冷たい月の光で、こうこうと明るい、夜更けのひろい空でした。
そこへ、北の方から、真っ白な羽を、ヒワヒワとならしながら、百羽のツルが、飛んできました。百羽のツルは、みんな、同じ速さで、白い羽を、ヒワヒワと、動かしていました。 首をのばして、ゆっくりゆっくりと、飛んでいるのは、疲れているからでした。なにせ、北の果ての、さびしいこおりの国から、昼も夜も、休みなしに、飛び続けてきたのです。だが、ここまで来れば、行き先は、もうすぐでした。
楽しんで、待ちに待っていた、きれいな湖のほとりへ、着くことができるのです。
「下をごらん、山脈だよ。」と、先頭の大きなツルが、嬉しそうに、言いました。みんなは、いっときに、下を見ました。黒々と、いちめんの大森林です。雪をかむった、高い峯だけが、月の光をはねかえして、はがねのように、光っていました。「もう、あとひといきだ。みんな、がんばれよ。」百羽のツルは、目を、キロキロと光らせながら、疲れた羽に、力を込めて、しびれるほど冷たい、夜の空気をたたきました。 それで、飛び方は、今までよりも、少しだけ、速くなりました。もう、あとが、しれているからです。残りの力を、出しきって、ちょっとでも早く、湖へ着きたいのでした。
するとその時、一番後ろから飛んでいた、小さな子どものツルが、下へ下へと、おち始めました。
子どものツルは、みんなに、内緒にしていましたが、病気だったのです。ここまでついてくるのも、やっとでした。みんなが、少しばかり速く飛び始めたので、子どものツルは、ついていこうとして、死にもの狂いで、飛びました。それが、いけなかったのです。あっという間に、羽が、動かなくなってしまい、吸い込まれるように、下へおち始めました。だが、子どものツルは、みんなに、助けを求めようとは、思いませんでした。もうすぐだと、喜んでいる、みんなの喜びを、壊したくなかったからです。黙って、グイグイとおちながら、小さなツルは、やがて、気を失ってしまいました。
子どものツルのおちるのをみつけて、そのすぐ前を飛んでいたツルが、鋭く鳴きました。すると、たちまち、大変なことが起こりました。前を飛んでいた、九十九羽のツルが、いっときに、さっと、下へ下へとおち始めたのです。子どものツルよりも、もっと速く、月の光をつらぬいて飛ぶ、銀色の矢のように速く、おちました。そして、おちていく子どものツルを、追い抜くと、黒々と続く、大森林のま上あたりで、九十九羽のツルは、さっと羽を組んで、一枚の白い網となったのでした。すばらしい九十九羽のツルの曲芸は、見事に、網の上に、子どものツルを受け止めると、そのまま空へ、舞い上がりました。
気を失った、子どものツルを、長い足でかかえた先頭のツルは、何事もなかったかのように、みんなに、言いました。
「さあ、もとのように並んで、飛んでいこう。もうすぐだ。がんばれよ。」 こうこうと明るい、夜更けの空を百羽のツルは、真っ白な羽をそろえて、ヒワヒワと、 空の彼方へ、次第に小さく消えていきました。(大淀町サイトより転記)
説明文は公式サイトを参考にしました。