保健福祉の現場から

感じるままに

ワクチンの需要と供給

2018年05月24日 | Weblog
メディウォッチ「1歳児と2018年度に6歳となる児童、優先的にMRワクチン接種し「はしか」予防を―日本小児科学会」(http://www.medwatch.jp/?p=20737)。<以下引用>
<1歳児と2018年度に6歳となる児童は優先的に、また、0歳児を持つ両親・同居家族や妊婦の同居家族、事務職員等を含めた医療関係者も、はしか(麻しん)予防のためにMRワクチン接種が推奨される―。日本小児科学会は5月22日に、こういった提言「MRワクチンの接種推奨対象者について」を行いました。2018年5月現在、沖縄県や愛知県を中心に麻しん(はしか)の発生が相次いで報告されています。麻しんは、極めて感染力が強く(空気感染)、感染者と同じ空間、場所にいるだけで感染する可能性があります。またマスク等は「感染防御には役に立たない」とされています。日本小児科学会では、「重症化のリスクが高い子どもたちを麻しん(はしか)から守る」必要があるとし、以下の対象者に対してワクチンの接種を推奨しています。○定期接種対象者【最優先】▼第1期定期接種対象者(1歳児) ▼第2期定期接種対象者(小学校入学前1年間の幼児、つまり今年度(2018年4月1日から2019年3月31日)に6歳になる者)○任意接種対象者 ▼規定の2回の定期接種を完了していない未成年者 ▼0歳児を持つ両親・同居家族 ▼免疫低下者など接種不適当者の児を持つ両親・同居家族 ▼妊婦の同居家族 ▼医療関係者(事務職員や救急隊員を含む) ▼保育関係者 ▼教育関係者 ▼海外渡航予定者 日本小児科学会では、「風疹の排除達成を目指す観点からも、原則として『乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン』(MRワクチン)を用い、1歳以上で2回の接種記録(第2期定期接種の対象となる以前の幼児は1歳以上で1回の接種記録)があれば、麻しん(はしか)免疫を有する」との考えを示しています。なお、医療関係者や教育関係者については、厚生労働省もはしか(麻しん)ワクチンを接種し、感染防止に努めるよう求めています。>

新型インフルエンザ対策に関する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=263447)の「プレパンデミックワクチンの今後の備蓄方針等について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000208084.pdf)p1「1,000万人分備蓄するプレパンデミックワクチンとして、近年の鳥インフルエンザ発生の状況等から、検討時点において「危機管理上の重要性」が高いH7N9 株(A/Guangdong/17SF003/2016(IDCDC-RG56N))としてはどうか。」「平成30年度末をもって、一般財団法人化学及血清療法研究所、北里第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社において細胞培養事業の製造体制が整備される見込みであり、3社の合計として、ワクチン株の決定から6ヶ月以内に、全国民分のワクチンを製造する計画となっている。」が目にとまった。新型インフルエンザ対策に関する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=263447)の「住民接種に係る接種要領作成における今後の論点について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000199162.pdf)p6「手引き(暫定版)を見直し、平成30年度中に住民接種実施要領を作成」とあり、それぞれの自治体において、新型インフルエンザの住民接種(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/jumin-sesshu.html)の具体的なシミュレーションが期待されるが、やはりネックになるのはワクチンの供給見込みであろう。季節性インフルエンザワクチンの製造株について検討する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=545793)の「2017/18シーズン向けインフルエンザワクチンに関する経緯について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000203184.pdf)p8「2017/18シーズンにおける累積供給量実績/医療機関累積納入量実績」は約2643万本であるが、当初は前年に比べて供給が滞っていたように、季節性インフルエンザワクチンの製造でさえも予定どおりいかないことは認識しておきたい。厚生労働省FORTH(http://www.forth.go.jp/topics/fragment1.html)の鳥インフルエンザ(http://www.forth.go.jp/topics/fragment2.html)では、中国において鳥インフルエンザA(H7N9)(H5N6)(H7N4)のヒト感染が散発している。今後、ヒト-ヒト感染の度合いによっては、新型インフルエンザ(http://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html)まで進まないとも限らない。AERA「中国の責任か? 鳥インフル蔓延で新型インフル“パンデミック”の現実味」(https://dot.asahi.com/aera/2017013000172.html)をみると、世界的な対応が必要と感じる。我が国の農林水産省「高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針」(http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/pdf/150909_hpai_guide.pdf)p33~にある、患畜又は疑似患畜は、病性の判定後「24時間以内に」と殺完了、「72時間以内に」焼却又は埋却が規定されているが、中国での防疫対応が気になるところかもしれない。なお、中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「ゾフルーザ錠1(バロキサビルマルボキシル);抗ウイルス剤(A型又はB型インフルエンザウイルス感染症用薬)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000196671.pdf)では「非臨床試験において、既存薬耐性ウイルスやA/H5N1、H7N9亜型等の鳥インフルエンザウイルスに対する効果が確認された」とあり、新型インフルエンザ(http://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html)の局面でも期待されるかもしれない。ところで、麻しん・風しんに関する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=486923)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/shiryo3.pdf)では「MRワクチンの全国的な不足は生じない見込み」とあるが、医療現場からは異なる話が聞かれる。5月16日付で厚労省通知「麻しんの予防接種の推奨の周知について(協力依頼)」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/dl/180516_1.pdf)が発出され、「麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種の考え方」(https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/measles/MRvaccine_20180417.pdf)も踏まえて、ワクチン需要が急増しているらしい。厚労省の麻しん・風しんサイト(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou21/index.html)や国立感染症研究所「麻疹最新情報」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html)はタイムリーな更新があっても良いように感じる。麻しんの流行世界地図(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html)をみれば、どこで集団発生してもおかしくはない。「麻しんの流行状況-ヨーロッパ」(http://www.forth.go.jp/topics/2018/04201102.html)、「麻しんの発生状況-アメリカ大陸」(http://www.forth.go.jp/topics/2018/04091609.html)も出ている。WHOの麻しんの排除状態認定(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000134573.html)をいってもあまり意味がない。継続的なワクチンの需要と供給の把握が不可欠と感じる。
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