12.24室蘭民報「偽陰性から院内感染拡大 北海道で相次ぐ、対策困難」(https://www.muromin.jp/news.php?id=19398)。<以下一部引用>
<病院で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が多発している北海道で、入院時のPCR検査で陰性だった患者が後に陽性と分かるケースが相次いでいる。感染していても陰性になる「偽陰性」の患者からクラスターに発展した病院もあり、専門家は感染対策の難しさを指摘する。11月にクラスターが発生した国立病院機構北海道医療センター(札幌市)は、偽陰性の患者が発端となった可能性が高いとする検証結果をまとめた。10月下旬の入院時の検査では陰性だった患者が退院後の11月10日、体調不良を訴えて再度来院して陽性が判明した。10月の入院時に患者を担当した看護師2人も11月7日に陽性が確認された。札幌市保健所によると計16人の陽性が確認され、クラスターは同30日に収束した。同センターは検証結果で、発症時期やウイルスの潜伏期間から患者は10月の入院時に既に感染していた可能性が高く、担当の看護師に感染が広がったと結論付けた。今後は患者が入院時に陰性でも原則として個室で過ごしてもらい、10日から2週間後に陰性が確認されてから大部屋に移すとしている。また、市立釧路総合病院では入院する際に陰性だった患者が12月10日の退院時の検査で陽性となり、その後、同室だった患者2人の感染が判明した。道の担当者は原因について「ウイルス量が少ないと陽性が出ないこともある」と説明する。北海道医療大の塚本容子教授(感染管理学)は「PCR検査の精度は100%とは言えない。患者だけでなく無症状の病院職員が持ち込む可能性もあり、院内感染を防ぐのは難しい」と指摘。「職員を毎週検査したり、常に防護服を着用したりと万全の対策を考えるべきだ」と話した。>
12.26NHK「東京 練馬の病院でクラスター 感染者100人 5人死亡」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201226/k10012785481000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_021)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染者の集団=クラスターが発生している東京練馬区のねりま健育会病院で、新たに入院患者など4人の感染が確認されました。これで、今回のクラスターによる感染者は合わせて100人となり、5人が死亡しています。練馬区にある、ねりま健育会病院では、25日までに入院患者3人と病院の職員1人の合わせて4人の感染が新たに確認されました。練馬区によりますと、これで今回のクラスターによる感染者は25日までに入院患者が74人、病院の職員が26人の合わせて100人となり、5人が死亡しました。練馬区はこれまでに4回の立ち入り調査を行って、これ以上感染が広がらないよう予防対策の指導を行いました。病院では感染者が確認された先月末から外来診療や新たな入院の受け入れは中止しているということです。>
9.17河北新報「陰性後の感染判明相次ぐ 新型コロナ早期検査一因か」(https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202009/20200917_13005.html)が出ているように、PCR検査陰性後、再度の検査で陽性になることはまれではないが、新型コロナに限ったことではない。感染してから、検査で検出できるようになるまでの「ウィンドウ・ピリオド」(https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/special/m6_02_02_03_03_detail51.html)は、感染症では当たり前の話である。11.10「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第2版)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000693588.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000693595.pdf)p4「ウイルス量が少ない例では検出限界以下(陰性)となることや、同一被検者でも経時的に排出ウイルス量が変化するため、適切なタイミングでの採取が求められる。」とあり、例えば、「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第3版」(http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide3.pdf)p14「無症状で経過する場合は、曝露から10⽇⽬にPCR検査を⾏います。潜伏期間の中央値は概ね5⽇であり、さらに発症5 ⽇⽬までにRNA 濃度がピークに到達し感染⼒もあることを考慮すると、無症状病原体保有者に対しては曝露後10⽇⽬の検査が最も効率よく感染の有無を判定できると考えられます。」とある。したがって、12.20NHK「グーグル 全米の社員など対象 毎週 無料でPCR検査」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201220/k10012773941000.html)のような対応が期待されるかもしれない。11.16「医療機関、高齢者施設等の検査について(再周知)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000695267.pdf)で「感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、いわば一斉・定期的な検査の実施を行うようお願いいたします。また、重症化リスクが高い入院・入所者の方々に加え、重症化リスクの高い集団に接する医療従事者・介護従事者で、発熱、呼吸器症状、頭痛、全身倦怠感などの症状を呈している方々については、検査の実施に向け、とりわけ積極的な対応をいただくよう、お願いいたします。」と念を押されているが、大規模クラスターが発生している施設の対応はどうだったであろうか。11.30Web医事新報「【識者の眼】「Go Toに感染拡大のエビデンスはないのか」渡辺晋一」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15988)では「本来経済を回すためには、定期的なPCR検査をし、陰性の人で経済を回すべきであるが、今でも日本の人口当たりの検査数は世界でも非常に少ない。一方で、スポーツイベントでは、定期的なPCR検査をし、イベントを回している。」をみると、感染予防徹底だけではないようにも感じる。すべての新型コロナ対策は、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p22のCOVID-19「無症状患者でも,ウイルス量は多く,感染力が強い」「ウイルス排出のピーク 発症日」をしっかり踏まえる必要がある。なお、12.25現代「「帰省前に自費でPCR検査」が危険であるといえる、これだけの理由」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78522)が出ているが、少なくとも行政検査・保険診療は、国立感染症研究所「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査方法について」(https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-20200318.pdf)で行われており、「陽性一致率及び陰性一致率ともに90%以上」の方法であることは認識したい。「偽陰性」を強調するも「ウィンドウ・ピリオド」(https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/special/m6_02_02_03_03_detail51.html)を啓発した方が良いように感じる。
<病院で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が多発している北海道で、入院時のPCR検査で陰性だった患者が後に陽性と分かるケースが相次いでいる。感染していても陰性になる「偽陰性」の患者からクラスターに発展した病院もあり、専門家は感染対策の難しさを指摘する。11月にクラスターが発生した国立病院機構北海道医療センター(札幌市)は、偽陰性の患者が発端となった可能性が高いとする検証結果をまとめた。10月下旬の入院時の検査では陰性だった患者が退院後の11月10日、体調不良を訴えて再度来院して陽性が判明した。10月の入院時に患者を担当した看護師2人も11月7日に陽性が確認された。札幌市保健所によると計16人の陽性が確認され、クラスターは同30日に収束した。同センターは検証結果で、発症時期やウイルスの潜伏期間から患者は10月の入院時に既に感染していた可能性が高く、担当の看護師に感染が広がったと結論付けた。今後は患者が入院時に陰性でも原則として個室で過ごしてもらい、10日から2週間後に陰性が確認されてから大部屋に移すとしている。また、市立釧路総合病院では入院する際に陰性だった患者が12月10日の退院時の検査で陽性となり、その後、同室だった患者2人の感染が判明した。道の担当者は原因について「ウイルス量が少ないと陽性が出ないこともある」と説明する。北海道医療大の塚本容子教授(感染管理学)は「PCR検査の精度は100%とは言えない。患者だけでなく無症状の病院職員が持ち込む可能性もあり、院内感染を防ぐのは難しい」と指摘。「職員を毎週検査したり、常に防護服を着用したりと万全の対策を考えるべきだ」と話した。>
12.26NHK「東京 練馬の病院でクラスター 感染者100人 5人死亡」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201226/k10012785481000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_021)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染者の集団=クラスターが発生している東京練馬区のねりま健育会病院で、新たに入院患者など4人の感染が確認されました。これで、今回のクラスターによる感染者は合わせて100人となり、5人が死亡しています。練馬区にある、ねりま健育会病院では、25日までに入院患者3人と病院の職員1人の合わせて4人の感染が新たに確認されました。練馬区によりますと、これで今回のクラスターによる感染者は25日までに入院患者が74人、病院の職員が26人の合わせて100人となり、5人が死亡しました。練馬区はこれまでに4回の立ち入り調査を行って、これ以上感染が広がらないよう予防対策の指導を行いました。病院では感染者が確認された先月末から外来診療や新たな入院の受け入れは中止しているということです。>
9.17河北新報「陰性後の感染判明相次ぐ 新型コロナ早期検査一因か」(https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202009/20200917_13005.html)が出ているように、PCR検査陰性後、再度の検査で陽性になることはまれではないが、新型コロナに限ったことではない。感染してから、検査で検出できるようになるまでの「ウィンドウ・ピリオド」(https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/special/m6_02_02_03_03_detail51.html)は、感染症では当たり前の話である。11.10「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第2版)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000693588.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000693595.pdf)p4「ウイルス量が少ない例では検出限界以下(陰性)となることや、同一被検者でも経時的に排出ウイルス量が変化するため、適切なタイミングでの採取が求められる。」とあり、例えば、「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第3版」(http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide3.pdf)p14「無症状で経過する場合は、曝露から10⽇⽬にPCR検査を⾏います。潜伏期間の中央値は概ね5⽇であり、さらに発症5 ⽇⽬までにRNA 濃度がピークに到達し感染⼒もあることを考慮すると、無症状病原体保有者に対しては曝露後10⽇⽬の検査が最も効率よく感染の有無を判定できると考えられます。」とある。したがって、12.20NHK「グーグル 全米の社員など対象 毎週 無料でPCR検査」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201220/k10012773941000.html)のような対応が期待されるかもしれない。11.16「医療機関、高齢者施設等の検査について(再周知)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000695267.pdf)で「感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、いわば一斉・定期的な検査の実施を行うようお願いいたします。また、重症化リスクが高い入院・入所者の方々に加え、重症化リスクの高い集団に接する医療従事者・介護従事者で、発熱、呼吸器症状、頭痛、全身倦怠感などの症状を呈している方々については、検査の実施に向け、とりわけ積極的な対応をいただくよう、お願いいたします。」と念を押されているが、大規模クラスターが発生している施設の対応はどうだったであろうか。11.30Web医事新報「【識者の眼】「Go Toに感染拡大のエビデンスはないのか」渡辺晋一」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15988)では「本来経済を回すためには、定期的なPCR検査をし、陰性の人で経済を回すべきであるが、今でも日本の人口当たりの検査数は世界でも非常に少ない。一方で、スポーツイベントでは、定期的なPCR検査をし、イベントを回している。」をみると、感染予防徹底だけではないようにも感じる。すべての新型コロナ対策は、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p22のCOVID-19「無症状患者でも,ウイルス量は多く,感染力が強い」「ウイルス排出のピーク 発症日」をしっかり踏まえる必要がある。なお、12.25現代「「帰省前に自費でPCR検査」が危険であるといえる、これだけの理由」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78522)が出ているが、少なくとも行政検査・保険診療は、国立感染症研究所「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査方法について」(https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-20200318.pdf)で行われており、「陽性一致率及び陰性一致率ともに90%以上」の方法であることは認識したい。「偽陰性」を強調するも「ウィンドウ・ピリオド」(https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/special/m6_02_02_03_03_detail51.html)を啓発した方が良いように感じる。