私は茨城県に行っていたので出席できなかったけれど、18日に市から委託を受けて、井戸を掘り花壇を造った児童公園で、完成のお披露目が行なわれた。子どもたちは熱心に手押しポンプを動かして、水を汲み上げてはしゃいでいたと言う。時々、「井戸掘りは何が楽しいのですか?」と聞かれることがあるけれど、ポンプを据付け、水が出てきた時は子どものようにうれしくなる。
写真では花壇に花が植わっていないけれど、18日はパンジーが植え込まれて見事だったそうだ。地域の人々がこの公園を自分たちの庭のように愛して使ってくれたなら、さらにやった甲斐があったと感じることだろう。公園でも道路でも学校でも、地域の施設をもっと住民の人たちが自分たちの財産と思って使い、大切に整備して欲しいと思う。私たちの子どもの頃と比べると、住環境は随分変わってきた。個人の家やその周りだけでなく、地域全体の住環境を財産と考えた方がいい時代になった。
いろんなことが少しずつ変わる時のようだ。野田首相の決断で国会は解散となり、来月16日の日曜日に衆議院議員選挙の投票が行なわれる。まず過半数を制する政党はいないから、どこかとどこかが連合して内閣を組むことになるだろう。維新の会と太陽の党は、「とにかく小異を捨てて大同団結」して選挙で勝利と言うけれど、内閣を組む時はどうするのだろう。橋下さんは「政治は政策ではありません。組織を使ってどう実現するかです」と街頭演説をしていたけれど、政策の違う政党が何を実現できると言うのだろう。
それにしてもたくさんの政党が生まれた。今度の衆議院議員選挙に立候補するであろう政党は15あると言う。「少数政党の乱立は有権者を混乱させるばかりだ」と言う評論家もいたけれど、乱立したのはそれだけ、考え方や政策に違いがあるということで、私はむしろ正しい方向に進んでいるように思っている。これまでは当選したいだけで政党に属していた議員がいかに多かったことか。しかし、これからはどのような国をつくっていくのか、議論し公開し有権者が参加する仕組みの政治が必要だろう。
ベルギーの選挙で過半数を制する政党が生まれなくて、1年以上も連合の話し合いが続いたことがあったそうだ。それで政府がなくても困らないことが明らかになったと言う人もいる。議員が当選することだけに執着するようなら、議会は要らないと言う人もいるだろう。何も決まらない国会が続けば、だからこそ強いリーダーが必要だと言い出す人も必ずいる。それでも私は急ぐことはない、ボチボチやっていけばいいのではないかと思う。
公園を管理する、花壇を造って管理する、それだけのことでもいざとなるとなかなか決まらない。みんなが満足することはまずないからだ。それでも話し合いを続け、納得できる一致点を見出すまで我慢しなくてはならない。信頼がなければ民主主義は時間がかかる。