友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

お人好しでいいじゃないか

2012年11月12日 19時31分32秒 | Weblog

 選挙が近いためか、いろんなところで街宣活動が盛んになってきた。先日も駅前広場で、「中国は信用できる国ではありません。日本の国有の領土である尖閣を中国の領土だと言いがかりをつける国です。民主党内が弱腰だから、中国に言いたい放題に言われてしまっているのです。韓国もそうです。竹島は日本の歴史的にも正当な領土です。それを勝手に韓国の領土だと言っています。こんな無茶なことを言わせてしまっているのは民主党が毅然とした態度が取れない政党だからです」と演説していた。

 「外交は弱腰では出来ません。自衛隊を送り込むくらいの強い姿勢を示さなくてはなりません」とも言っていた。えっ、戦争でもする気なの?というくらいに熱が入っていた。「世界の人が日本人のことを何と言っているか、知っていますか。日本人はお人好しの国民だと言っているのです。褒めているのではありません。馬鹿にしているのです。自分の国の領土も守れないほどの馬鹿だと言っているのです。世界中の笑い者にされているのです。私たち日本人は馬鹿ではありません。馬鹿なのは民主党政権です」と。

 市が行なっている韓国との国際交流についても、「即刻に中止すべきだ」と街宣していた団体がある。どういう団体なのか知らないけれど、私は寒気がする。毅然とした態度をとれとか、強い国を示せとか、そういうことを主張して、その先に何が見えると言うのだろう。お互いに毅然として主張し合えば、最後は武力で決着になるだろう。それで本当にいいのだろうか。領土問題を契機に、日本は一気に愛国的な雰囲気が高まってきた。「内政がうまくいかない時は、国民の目を外に向けさせよ」と昔から言われてきたが、そんなことを繰り返していいのだろうか。

 領土問題や外交問題は、一般の市民に分かりやすいのかも知れない。市民の会話の中でも普通に「弱腰だからいかんわ」とか、「日本が弱いから言われっぱなしになっとる」とか、耳にする機会は多い。もっと最悪なのは、「中国と戦争やっても日本の方が強いんだ」と言う人もいる。そんなことが市民の間で頻繁に口に上るようになることが恐ろしい。若者たちは年寄りよりも冷静なのか、「ほどほどにしておけばいいじゃん」と言う。日本の若者が中国の若者のように、中華飯店を襲うことがないことにホッとしている。

 東日本大震災の時、日本人は冷静にお互いを思いあい助けあった。世界中の人々が日本人は最高のマナーの持ち主だと称えた。最悪の事態の中でも、自分のことより相手のことを思いやる心の広さ・優しさに驚きと賞賛が贈られた。けれども、みんながみんなそうではない。取られる前に防備を固める人、取られたら取り返す人もいる。どういう人でありたいか、それはどうも個人の価値観の問題のようだ。私はお人好しでいいじゃないかと思うし、優しさこそが最も尊いと思う。

コメント
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