友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

「恋愛も結婚も出産も、コスパが悪い」

2024年06月07日 17時59分16秒 | Weblog

 出生率がどんどん下がっている。結婚する男女は少なくなっているし、結婚という形を取らなくても、子どもが欲しいとは思わない男女は多い。結婚とか、同棲とか、要するに男と女の間に夢を描くことが無い、あるいは出来ないのだろう。

 何とか分かる気がする。結婚や恋愛は、相手のことを考えたり受け入れたりと、とてもメンドクサイ。子どもは可愛いが、乳を飲ませ、オムツを取り替え、話しかけたり笑ってやったり、とても手間がかかる。なのに、決して自分の思い通りには育たない。

 60年前の私の時代は、「人生で一番大事なのは努力すること」と教えられ、何も分からずに頑張ってきた。結婚がどんなものかと考えることも無く、一緒になりたいでしかなかった。誰もがしているから結婚し、誰もが子どもを授かったように子どもをが生まれた。

 高度経済成長社会を目指していた訳では無く、一生懸命に働き、賃金が上がり、家電製品を買い、車を買い、家を購入した。国内旅行はもちろん、海外旅行へも出かけ、満足した日々を送ってきた。

 それを見て来た子どもたちは、ちょとシラケたのかも知れない。20代30代の人たちは、ジジババの夢を押し付けるなと思っているのだろうか。成績でより分けられ、頑張っても先は知れていると実感させられ、存在しているだけで精いっぱいなのかも知れない。

 現代のような社会にしてしまったのは、私たちのせいだろう。確かに今は成長期では無いが、充実期なのではないだろうか。経済成長も頓挫し、価値観も拡散したが故に、ここからは多様な意見や生き方がぶつかり合って、新しいものを創り出すのではないか。

 吉川トリコさん著『余命一年、男をかう』(講談社文庫)を買った。書き出しが凄く、徹底して無駄な金を使わない女性が出て来る。友だちから「なにが楽しくていきているの?」と揶揄されるが、「恋愛も結婚も出産も、コスパが悪いからしたくない」女性だ。

 まだ、20ページまでしか読んでいないが、現代を象徴する女性だと思った。著者は1977年生まれで名古屋在住とある。さぁー、どうなるのかと楽しみだ。

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