友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

満足からは何も生まれない

2024年06月05日 17時57分26秒 | Weblog

 「とても良いお天気だから」というので、今月末で終わってしまう『シュルリアリズムと日本』展を三重県立美術館へ観に行って来た。菰野町の「パラミタミュージアム」へ出掛けた時、散々苦労したので、今日こそは間違いなく行くぞと出発したのに、国道22号線から名2環に入るつもりだったのに、ナビはどんどん南へ行けと指示する。

 結局、名古屋高速をぐるりと回り、名古屋駅の南から名古屋西ジャンクションへと誘導された。「どうしてこんなにおバカさんなのか」とナビに文句を言っていると、カミさんから「学習しないあなたが悪い」と注意された。ナビを新しいものに取り換えるつもりだったのに、あいにくホンダは店舗の改修で休みだったのだ。

 それでも何とか津まで辿り着いた。三重県立美術館は森の中にあるでっかい建物で、駐車場は空いていた。シュルリアリズムの歴史が解説され、日本人作家の作品とか雑誌とかが並べられていた。カミさんは私よりも、熱心に作品を眺め、解説を読んでいた。私の卒論のテーマは「シュルリアリズム」であり、私の書棚にはその関連の本が並んでいる。

 「展覧会を観に来ても、あまり感心することが無かったけど、今日は凄く分かった。あなたが描いていた絵はシュールだったのね」と熱っぽく語る。私が「卒業展は観た?」と聞いたら、「誘ってくれた?」と逆に尋ねられた。卒展に出した6枚のパネルはどこへ行ってしまったのだろう。私が県美に取りに行った時はもう、何も無かった。

 自分の作品に執着しないようでは画家にはなれない。教員になって開いた個展の作品もどこにあるのだろう。私はダリに憧れ、時空を超えた空間を写実に描くことに心血を注いできた。ところが満たされた毎日の生活に溺れ、闘争心を無くしてしまった。満足からは何も生まれない、それが今は分かる。

 カミさんは売店で2700円もする本(写真)を買う。何やらとても張り切っているので、「運転してくれる?」と訊くと、「いいわよ」と替ってくれた。カミさんの運転は、本当は怖いのに、いつの間にか眠ってしまった。「スムーズに帰れたわね」と自慢そうに言う。

 

コメント (1)
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