県議選も今日が最後なので、街宣車が頻繁にやって来る。最後の日は、候補者が最後まで演説して回って欲しいと思うが、候補者の中にはウグイス嬢にマイクを持たせて、自分は手を振るばかりの人もいる。きっとこの人は落ちるだろう。
市議や県議の選挙で、「実現する公約」を訴える候補がいるが、「あなたひとりでは実現しませんよ」と思ってしまう。首長選挙なら、「当選したらこれを行います」と「公約」することはあるし、具体的な公約を掲げない候補には票が集まらない。
首長は議会に条例を提案できるから、自分が実現したい政策を議員に賛同してくれるように話す。首長の権限は大きく、賛同議員を多く得れば、自分の目指す「街つくり」が出来る。議員も議員提案で条例を提出できるけれど、ひとりでは提案も出来ないし、賛成多数を得なければ条例にならない。
首長と議員は、権限も役割も大きく違う。地方議会は身近であるはずなのに、投票率がかなり低いのは、有権者が身近と感じられないからだろう。これは議員の日頃の活動が見えないことに原因があるように思う。
岸田内閣は軍備費を本年度から5年間で43兆円にするという。「何にいくら使うのか」と問われると、「軍事機密なので詳しいことは申し上げられない」と言う。異次元の少子化対策として打ち出された「家庭子ども庁」も、予算規模や具体的な内容は「これからしっかり検討していく」と言う。
具体的な政策の中身が曖昧模糊としているのに、どうして真剣な論議が出来るのか、全く不思議な国だと思う。政府も県や市も、日本の有権者はフランスのように、怒って抗議デモをしないことをいいことに国民を舐めている。「街つくり」に有権者は目を向けるべきだ。
戦争がなくて、なんとなく毎日食べられて、暮らしている現状に、私たちは甘んじているが、祖父母や親を世話するヤングケアラーが増えているし、自殺する人も多い。これは政治の歪みではないだろうか。