友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

読書三昧

2012年02月04日 19時03分50秒 | Weblog

 正月から読書する機会が増えた。デイサービスの手伝いに行っていた時は、電車に40分くらい乗っていたから、本を読む時間があった。電車の中とか病院の待合室とか、そういう場所は軽い本ならどんどん読める。井戸掘りがなくて、市民講座の方も一段落しているので、一日中家に居ることが多い。そんな時は電子辞書と漢和辞典を傍らにおいて読書に励む。小説にメモ書きすることは無いけれど、評論のようなものはページの余白に書き込みをしてしまう。英語や意味の分からない言葉は電子辞書を引けばすぐに分かるが、読めない漢字は漢和辞典にたよる他にない。昔は読めない漢字や分からない言葉は推測して進んでいた。ところが私が思い込んでいた読みが全く違っていたことがあり、辞書を引いて正しく覚えないといけないとこの歳になって気が付いたのだ。

 

 偶然に古本屋で書名だけ見て買ってきた3冊は結構面白かった。田原総一朗さんと姜尚中さんと中島岳志さんによる座談会を本にした『国家論』、佐藤優さんの『テロリズムの罠』、岩崎日出俊さんの『金融資産崩壊』。この3冊は電車で読むことはなく、家で辞書を片手に読んだ。姜尚中さんはやたらと英語を交じ得て話すので、辞書で確かめることにした。中島さんという人の名は初めて知った。京大の卒業で現在は北大の准教授である。右翼運動や保守主義に詳しかった。佐藤さんはこの頃よく本を書いている休職外務事務官。同志社大学の神学科を卒業し外務省に入った変わり者だ。岩崎さんは早稲田大学の政経学部を卒業し日本興業銀行に入り、スタンフォード大学で経営学修士を取得した後、アメリカの証券会社で働いていた金融通だ。

 

 姜尚中さんは1950年生まれで全共闘世代だが、岩崎さんは53年生まれ、佐藤さんは60年生まれ、中島さんに至っては75年生まれである。田原さんだけが戦前の生まれで、60年と70年安保を体験してきている。破廉恥なことをすることが反体制だともてはやされた時代、結婚式で花嫁との性行為を招待客に見せたという伝説まである。田原さんは、「昔は国家はいらない。市民によるコミュニティがあればそれでよいと考えていたけれど」と以前の考えを否定している。小沢一郎さんについても自民党の手法と言いながら評価している。私は田原さんがどういう社会や国家を求めているのか、よく分からなかった。

 

 3冊に共通する部分もあった。小泉改革で推進された「新自由主義」に対する否定である。世界が大きな曲がり角に来ているということも共通して言われている。新自由主義ではますます混乱と破壊が進んでしまうと言うが、ではどうすればよいのかというところで違いが出てくる。国家が経済に介入することになるだろうと予測するが、それがどの程度なのか、どのようにしてか、はっきりしない気がした。今日の状況が、1929年に始まった世界恐慌とよく似ていると3冊とも認めているが、この危機をどう乗り越えるのかまでは暗示はあっても明示はない。

 

 この3冊の他に、短歌に関する本も3冊平行して読んでいる。短歌教室をやめてしまい、強制的に作ることがなくなったので、勉強してみようと思ったのだ。結論から言えば、「私たちは、歌を作る前に、ある、漠然としたテーマをおもいうかべつつ、作歌に入っていく」(『短歌の世界』)のだから、作ろうと思った時に作ればいいということだ。でも、ドキドキしたり、感激したり、悲しかったり、心に思うものがないとテーマが出てこない。一日中家に居ると、テレビと新聞だけがネタ源だからブログを書くことさえ四苦八苦している。何か、いいことないかなあー。

コメント
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