名古屋市の東部、尾張丘陵と呼ばれる瀬戸から知多半島へと伸びる丘陵地帯では、井戸を掘ることは難しいと実感した。半田市へ何回出かけて行っただろう。そして今回は、緑区へ7回出かけて行ったけれど、結局8メートルから9メートル辺りのところから先へは掘り進めることができなかった。道具も知り合いのプロに頼んで作ってもらった。その道具を使っての操作方法もなるほどと納得できるものであった。にもかかわらず、どうして掘れないのか、お手上げである。
うまくいかない時は元気もなくなる。話すことも後向きだ。調子の良い時なら料理の話も結構話題にのぼる。70歳前後の私の仲間は酒が好きな人が多く、酒飲みは料理にもうるさくて、自分で酒の肴を作ってしまう。「自分で作った方が美味しくできる」と言うけれど、実際に彼が作ったしめさばは絶品であるし、スパゲティやラーメンなども実に美味い。「市販のサラダドレッシングは美味くないので、自分で作った」というが、これもなかなか奥の深い味がある。
その彼は、「夫婦なんていうものは空気のようなもんだ」と言う。なくてはならないけれど、目には見えず、存在を意識することはない、それが夫婦の関係だと言うのである。私はこの説にちょっと納得できない気がしている。相手のことを意識しなくてもいいとはどういうことなのか。夫婦なのだから相手に気を遣うことなどないとまで言われると、それでいいのかなあーと思ってしまう。いくら長く一緒に暮らしてきても、好みも違うし、関心も違う。考え方も感じ方も同じにはならない。だから別々の部屋で、別々のことを行なっても平気になってきている。
干渉せずはいいけれど、無関心というのはちょっと寂しい。時には一緒に映画を観たり、旅行に出かけたり、ドライブでもいい、そんなふたりだけの時間が持てないのだろうか。しかし、夫婦はふたりであまり真面目な話はしない方が良いみたいだ。考え方や感じ方が違うのに、無理やり一致させようとすれば逆に溝が深まることになる。そんなわけで、強く踏み込まずかといって無視することにない範囲で、つまり手が触れ合うくらいの距離を保つことが良いようだ。
「元恋人と友だちになれますか」という特集記事があった。「はい」37%、「いいえ」63%だった。記事によれば、若い世代は「むかし恋人、いま友だち」に抵抗がなく、年齢の高い人は素直には受け取らない。「別れてもその後付き合えるのは、それだけの関係だった」と言う。ところが面白いことに、元恋人と友だち付き合いしている人は、それを今の恋人や配偶者に話してはいない。男と女の間に友情は成立するかといえば、私自身は自信がない。私の友だちは15年間にわたって、友だち以上恋人未満の関係を続けてきているけれど、私には出来ないし自分を偽っているとしか思えない。
それでも、人にはそういう、配偶者には言えないけれど、何でも話せる相手が欲しいものなのかもしれない。「夫婦でも長い間一緒にいると、恋愛感情はなくなり、友人のような状態になる」と言うけれど、それではいったい、なぜ一緒に暮らしているのかということになる。ドキドキすることはなくても一緒にいることだけでいいのだ、それが夫婦というものだと先輩諸氏は口を揃えてそう教えてくれる。
うまくいかない時は元気もなくなる。話すことも後向きだ。調子の良い時なら料理の話も結構話題にのぼる。70歳前後の私の仲間は酒が好きな人が多く、酒飲みは料理にもうるさくて、自分で酒の肴を作ってしまう。「自分で作った方が美味しくできる」と言うけれど、実際に彼が作ったしめさばは絶品であるし、スパゲティやラーメンなども実に美味い。「市販のサラダドレッシングは美味くないので、自分で作った」というが、これもなかなか奥の深い味がある。
その彼は、「夫婦なんていうものは空気のようなもんだ」と言う。なくてはならないけれど、目には見えず、存在を意識することはない、それが夫婦の関係だと言うのである。私はこの説にちょっと納得できない気がしている。相手のことを意識しなくてもいいとはどういうことなのか。夫婦なのだから相手に気を遣うことなどないとまで言われると、それでいいのかなあーと思ってしまう。いくら長く一緒に暮らしてきても、好みも違うし、関心も違う。考え方も感じ方も同じにはならない。だから別々の部屋で、別々のことを行なっても平気になってきている。
干渉せずはいいけれど、無関心というのはちょっと寂しい。時には一緒に映画を観たり、旅行に出かけたり、ドライブでもいい、そんなふたりだけの時間が持てないのだろうか。しかし、夫婦はふたりであまり真面目な話はしない方が良いみたいだ。考え方や感じ方が違うのに、無理やり一致させようとすれば逆に溝が深まることになる。そんなわけで、強く踏み込まずかといって無視することにない範囲で、つまり手が触れ合うくらいの距離を保つことが良いようだ。
「元恋人と友だちになれますか」という特集記事があった。「はい」37%、「いいえ」63%だった。記事によれば、若い世代は「むかし恋人、いま友だち」に抵抗がなく、年齢の高い人は素直には受け取らない。「別れてもその後付き合えるのは、それだけの関係だった」と言う。ところが面白いことに、元恋人と友だち付き合いしている人は、それを今の恋人や配偶者に話してはいない。男と女の間に友情は成立するかといえば、私自身は自信がない。私の友だちは15年間にわたって、友だち以上恋人未満の関係を続けてきているけれど、私には出来ないし自分を偽っているとしか思えない。
それでも、人にはそういう、配偶者には言えないけれど、何でも話せる相手が欲しいものなのかもしれない。「夫婦でも長い間一緒にいると、恋愛感情はなくなり、友人のような状態になる」と言うけれど、それではいったい、なぜ一緒に暮らしているのかということになる。ドキドキすることはなくても一緒にいることだけでいいのだ、それが夫婦というものだと先輩諸氏は口を揃えてそう教えてくれる。