ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

国の登録有形文化財のレトロな洋館。京都のランドマーク四条大橋の「レストラン菊水」

2015-01-22 | アート

四条大橋、南座の向かい側に聳える5階建ての洋館「レストラン菊水」。大正15年に建てられ、現在、国の登録有形文化財になっている京都を代表する建物のひとつです。
ランチに訪れたミモロは、四代目となるオーナーの奥村洋史さんに案内していただき、建物の中を巡ります。

「ヨイショ…」白い階段を上るミモロ。ここにも、数多くの人たちが歩いたのが、石の減り具合から推測されます。
「どれほどの人たちがここをのぼったんだろ?」もちろんエレベーターはあるのですが、ミモロは、この階段に心惹かれているようです。
2階は、レストラン。ランチには、ここでお食事ができます。
 
「では、もっと上の階へ…」「わ~なんか豪華な雰囲気…」
 
テーブルには、今夜のパーティーのためのテーブルセッティングがされています。白いテーブルクロス、白いナプキン、お皿は、ノリタケの金縁のもの。
「今夜は結婚式のパーティー?」とミモロ。「いいえ、会社の御集りですよ。もちろん結婚式の披露宴もよく行われます」京都には、今、結婚式の披露宴会場がたくさんできています。「モダンな感じのパーティースペースもいいけど、こういうレトロな雰囲気のところって落ち着くね~」と。

「天井を見てください」と奥村さん。「あ!きれい~」

なんて素敵なライトでしょ。球体のライトは、天井に美しい影を落とし、それがまるで万華鏡のような模様を天井一面に描いています。「中に電球が入ってるんですが、最近は、LED電球が主流になりつつあります。でも、これは白色電球じゃないと、美しい影ができないんで、電気店に白色電球を大量注文して、キープしました」と、奥村さん。LEDの電球では、描けない模様です。

「わ~壁のライトも素敵~」
「この建物ができたときは、アールデコが人気だったよう…」「すごくヨーロッパ的でおしゃれ~」とミモロ。建てられた当時は、さぞや注目された場所だったことが想像できます。「きっと京都のハイカラな人たちの社交場になってたんだよね~きっと」

「この建物の設計には、創業者のひいおじいさんが深くかかわっているんです。当時、日本各地や上海を視察して、その時目にした建物からアイディアを得て、地元の工務店と作ったんだそうです」と。
戦前の上海は、アジア切ってのおしゃれで、洗練された町。「なんとなくわかる気がする…。昔の建物って、今の建物より装飾的で優美だよね~」とミモロ。

空襲を受けなかった京都には、歴史ある寺社仏閣の建造物だけでなく、明治、大正、昭和初期に建てられた洋館が多数残っています。

「京都人は、新しいものも好きですからね~」と奥村さん。ハイカラ好きの京都人気質は、建物にも表れているようです。

「京都に来たら、ぜひ洋館めぐりも楽しいよね~」と、ミモロおすすめの京都観光のテーマ。


さて、今夜の宴会のために、ステージもできていて、そこにマイクが…・「あ、あ~ミモロのためにたくさんお集りいただきありがとうございます~」とマイクの前で、自分のパーティーを想像して…。
いつか、そんなパティーができるようになりたいね~ミモロ…。

「ここでは、社交ダンスの会が行われているんですよ」昔からつづく「菊水ダンス会」は、月に1回、ダンスを愛する人たちが集い、ディナーの後、優雅にダンスを楽しむ会。

「ミモロ踊れないから…」とちょっと残念そう。

「あの~屋上にも行っていいですか?」とミモロ。夏に祇園祭の神輿洗いを見物する特等席…それが屋上のビアガーデンです。
「そう、ここ…よく見えるんだよね~」と、八坂神社から高島屋のある河原町まで、四条通を一望できる場所。

今は、冬なので、ビアガーデンはお休み。また夏になると再開されます。
「夏になったら、またお友達に連れてきてもらおう…」とミモロは、ひそかに期待しているよう。

鴨川の向こう側には、もうひとつ洋館が聳えます。北京料理店の「東華菜館」です。こちらも大正15年にできた建物で、設計は、ヴォーリスで、当初は、ビアレストランとしてオープン。昭和20年から北京料理店に。

「え~大正15年に四条大橋の両岸に洋館ができたんだ~。当時の人たち驚いたよね、きっと…」華やかな祇園がいっそう賑わったことでしょう。

「スペイン瓦のって放物線の塔が目印なんだ~」

今や、大きな通り沿いには、高層マンションの建設が進む京都。かつて大きな家があった場所は、マンションに変わっています。かつて、高層ビルだったこの建物も、周囲に次々に高いビルが…。「でも、昔の洋館の個性には、かなわないね~」と。

そう、レトロな建造物は、どれもとても個性的なのですが、町にしっくり馴染んでいます。これも長い時の流れによるものなのでしょうか。

「いろいろ見学させていただき、ありがとうございました。また食べにきま~す」と、ミモロは、奥様にご挨拶。


「今度は、ビフカツ食べよう…」と、もう次に来るときの料理を思うミモロです。


*「レストラン菊水」の詳しい情報はホームページで



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