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蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

から雑巾

2013-11-23 | 思い出
今朝の気分は、から雑巾。
絞っても、なにも出てこない。

・・・

パリの日々・・・。


ある人に聞かれた。

「一人で行ったの?」
「はい」
「怖くなかった?」
「怖かったです」

これは、ほんとうの話。

ひとりっきりなので、室内で、なにかがあったら、どうしよう・・・、と、お気楽な反面、
実は恐怖に震えていた。
アパルトマンのお隣の部屋をノックしても、おそらく隣人は出てきてくれないだろうし、言葉も通じない。
これを書いていて思ったが、初日に「よろしく」と、挨拶に行っておいたほうが良さそうだ。

日本語サービス付きの海外旅行保険には入っているものの、病気や怪我の緊急サポート。
それ以外の、例えば、台風や、災害や、強盗やら、そんなことは、対応してくれるのか?
一度も電話したことがないので、その保険、通じるのかどうかもわからない。
今度、試しにシュミレーションとして、やってみておこう。

たとえば、ケータイが壊れたとしよう。
保険屋さんに電話もかけられない。いくら日本語が通じても、電話自体がつながらない。
iPadが壊れたとしよう。
誰とも、なんの連絡も取れない。
四方八方ふさがれた状態。
これは、今、思えば、非常に恐ろしいことである。


アパルトマンを紹介してくれた人が、フランス国内で使えるケータイを貸してくれた。
数回、知らない人からかかってきたが、わたしは持ち主でないことがわかってからは、かかってこなくなった。
わたしも、何度か、試しにかけてみたが、早口の、録音されたフランス語が、機械的に流れて切れる。

あとで、部屋を引き払うときに、ケータイを貸してくれた人に、つながらない状況を説明し、操作方法を聞いてみたら・・・
「あら。チャージできてないですね。お金が入ってない。通じないですね」
と涼しい顔。
わたしは、そのケータイを万が一のために、ずっと持ち歩いていたのに。
死んでいるケータイを頼りにしていたのか。
つながらないケータイを貸す人も貸す人だ。
日本人でも、フランスに長く住むと、フランス流になってしまうようだ。

ライフラインは、通信。
これが通じなくなったら、わたしは、どうしようもない。
部屋の外、屋外の街に出て行って、わめいて、おまわりさんにでも見つけられ、どこかに収容される?
それで、どうにか生命の維持ができる。

よくよく考えれば、
まわりは見知らぬ人ばかり、コトバも通じない、おそろしい日々を過ごしていたわけである。
なにかあっても、通信できなければ、
ほんの少しでも知っている人に、助けを求めようにも、まったくどうしようもない。

最悪の場合は、恥をかなぐり捨て、見知らぬ日本人観光客に泣きすがるという手もある。
人間、土壇場になれば、なんだってできる。
が、信用してもらえるか・・・?
そういう手口の詐欺と思われるかも知れない。
関わらないように、さっさと逃げられるかも知れない。
JCBなどの営業窓口に駆け込むか。
冷静に考えると、いろいろ方法はある・・・。


来年も、行けるかなあ・・・と、考えると、ちょっと固まってしまう。
自分の健康管理や、家族などの周辺事情が何事もない状態を保つのは、けっこう難しい。
なので、行けるときは、えいやっと、行く。
渡った後から後から、どんどん壊れていく橋を、後ろを振り返らずに、全力で走って渡る。
とりあえず、向こう岸に着くまで。
あれこれ考えていたら、なにもできない。
向こう岸に着いてから、またゆっくり問題点を改善したり、試行錯誤、フォローする。


といいつつ、パリでは、日々、ぼーーっとしていただけなのだが。


「また行けたらいいな」、
ではなく、ぜひ、行けるよう、努力しないと、行けない。


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