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蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

田舎生まれ、田舎&街育ち

2021-11-19 | 思い出
今日は、今まで何度も書いていることをまた書く。
何度も同じお店に入って同じ品を注文するように。
書くことで、自分の癒しになる。
が、同じ内容の記事が並ぶだろうけれど、投稿日が違うから、違うもの扱いということにしよう。


わたしが生まれ育った故郷。田舎。
江戸時代となんら変わらない田園原風景。
秋の米収穫が済むと田んぼには刈り取られた稲の束を斜めに交差させて立てかけたものが、稲の切り口も新しく点在する田んぼのあちこちに見られる。
その田んぼで遊んだり、どこからか草が燃える匂いがしたり、、、。

明治中頃生まれの祖母。
ジャガイモ、茄子、きゅうり、トマト?、玉ねぎ、ネギ、ほうれん草、ニンジン?、野苺、いちじく、グミ、、、などなどは、家の畑(家庭菜園)から採って食卓へ。
味噌は一から手作りで、大豆を茹でて、ずっしり重い鉄製の器具(手動ミンチみじん切り器)に入れて、横付けされたハンドルをぐるぐる回して荒いペースト状にする。
味噌を専用に入れて貯蔵する味噌部屋がある。
梅干しも外のムシロに何枚も広げて干す。
山の木々の小枝を切り集めた束の山が置いてある部屋があり、お風呂は、焚き木で焚べる。
家族が入って追い焚きが必要になれば、焚き木で祖母がお湯の温度を上げてくれる。
お米は釜戸炊き。
煮炊きものもへっついさん?に焚き火。
お餅は釜戸で炊いた餅米の入った米を杵と臼で、杵を振るう男性と、臼の中の米に水を回す手(祖母)、阿吽の呼吸で交互にペッタンこったん、つきあがると皆で熱々を手で丸める。
(その時に大根おろしでそのまま食べる人もいた)
猫と呼ばれる猫みたいな塊の形の、豆などの具入りお餅もあり、大きな餅専用の餅切り器でスライスする。

夏には井戸にはスイカを入れて冷やす。
洗濯は洗濯板でゴシゴシ。 
冷蔵庫がわりに、水屋?というのか、風通しの良い食器棚があった。
お風呂以外は、台所や味噌部屋など、今も全てまだその家に温存されたままである。
今、わたしが自宅で使っているガラスのサラダ大器のもう一対ペアが、その旧台所の食器棚にある。

先日、仏壇の引っ越しとともに、西洋スタイルの食器飾り棚や茶器も一緒に運び出したらしい。
さすがに誰も住まなくなって40年以上経つと、例え通いで管理していても、僻地にある家の仏壇の保持は困難になる。
この度、仏壇は場所を移すことになった。
家屋の中心から心臓部が外され、魂が抜けたわけだ。
引っ越し先である新しい家にはわたしはまだ行ったことがないのだが、わざわざ田舎まで行かなくても地理的にはものすごく至便になった。
新しい家といっても、わたしが生まれた時からある父の仕事場で、何度かの変遷後、この度、グランドリニューアルオープンといったところか。
銀行や企業の本店、支店が統廃合が行われるように、わたしの実家も統廃合が進んでいる。

わたしは幼い頃から、田園風景・大正時代築の家から、父の仕事場の家の間を通学していた。
(今時の幼稚園児なら字ぐらい読めるだろうが)
自分の乗るバスを見極めるため、わたしは、じーーーっと穴が開くほど、バスのフロントガラス上の行き先が書いてある文字を見つめていた。
が、行き先は漢字が2文字で3文字ではないのは、だいたいわかっていたが、2文字の漢字に当たると悩んだ。
たぶんその中には「回送」と書かれたものもあっただろう。
かわいそうな、わたし。識字じゃないってツライ。
行き先文字部には穴は開かなかったが、何度間違っても、痛い目に遭った切迫感が後押しもせず、あまり漢字も覚えなかったように思う。
苦痛と感じていない、全然気にしない、明るい幼稚園児だったのだろう。
その頃から精神的にタフ・キャラか。

正しいバスに乗っても、自分が降りる停留所近くになると、地元の子供達が学校下校時にはバスにどかどか乗り込んでくる。
それが嫌だった。
違う学校に通う大勢の地元の子供達。
明らかにアウェイ感。
明らかに、違和感。
別のものを奇異な目で見られ、態度、言動でも示された。

黒塗りの専用車で送り迎えしてくるなら素晴らしいが、庶民なので同じバス。
下手すると、無言で迫害?いじめられている?
アパルトヘイト時の黒人白人別々に乗るバスだとすると、自分は黄色人種?
とまあ、デフォルメ脚色して小説にでもする気ならその路線もないでもないが、田舎を行き交うオンボロバスの、のどかな風景の一つである。
たいして変わらないなのに、逆・自意識過剰。
だが、まだ子供だから世の中の仕組みもよくわからなかった。

田舎ではアウェイ、通学先学校でもアウェイ。
逆に考えると、田舎では都市を知り、都市では田舎を知っている、文化バイリンガル。
というふうに、表裏一体、一長一短でも、自分が好きなほうを、良いように、長所をピックアップしたほうが人生楽しい。