へんな洋食屋カフェ

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市電保存館の100円は安かった。様々な市電の内部も入れて勿論、写真撮影もOK、内装木造りに革の吊革、座席は別珍張り、床も木製、取っ手やツマミは真鍮のオイラモノ造り趣味人には堪らない造り込みであった。保存館を出、更に南へ徘徊する。往年の料亭や料理旅館が数多く在った独特の地域だが今やその風情はすっかり様変わりしてしまっている。なんだかんだと八幡橋の海に出た。東京電力の火力発電所からは煙がモワモワと出ていて努力の程も伺えた。あいにく空は雲にしたためられていたが湾内の碧海にはヨットや運搬船が浮かんで絵には為る。此処でも沢山のシャッターは切れる訳である。巨大なコンクリートの施設や圧倒的な大きさの倉庫も並んでいる。其処に働く方々の為の定食屋とかうどん店の暖簾が海風にたなびいている風情はいとおかしだなぁ！今日は、先日に戴いた望遠ズームレンズを付けているので気配無く遠慮無くシャッターは切れる。こんな時は望遠ズームレンズは楽である。磯子警察署でトイレを借りて最終目的地の「浜マーケット」へ向かう。
細い路地にアーケードが架かり間口二軒程の個人商店が数十軒も立ち並ぶ商店街マニア(居るのかっ！)には泣いて喜ばれる商店街である。実はオイラ、商店街研究家の一面も持っていますが横浜市内では指折りの商店街と謂えます。直ぐ傍には帰宅への路線バスの停留所があるからやおら徘徊は終了となります。

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で、南の方面へ歩き始めた。切り通し越えの磯子行を試みるが、何れも古道であって金沢道～岡村切り通し～天神道～磯子街道～間坂という南区と磯子区の大徘徊だ。金沢街道から直ぐに外れて岡村切り通しへ向かう途中に豆腐屋が在ってなにやら展示してあるのに目が向いた。何でも、屋上でヘチマや瓢箪を栽培して瓢箪は乾燥後に漆(とは言うもののカシュー漆だが)を掛けて、それも様々な色漆を塗って磨ぎ出した所謂「津軽塗」とか「会津塗」の手法を用いて飾ってあった。窓越しにじっくり眺めていると豆腐屋のご主人が出てきて「マァ、入んなさい」と招き入れてくれた。おびただしい数の瓢箪が展示してあり、色々と話を聴く。すると、奥のほっかぶりしたお婆ちゃんがお茶とガンモドキ醤油掛けを持ってきてくれ早速に一服となってしまった。挙げ句の果てには彩飾前の瓢箪を三個くれ、マァ暇潰しにやってみなっ！という式次第である。岡村切り通しは、かなりの坂で今日のたびゆきの最大の難所だ。越えれば、名だたる岡村天満宮が鎮座している。学問の神「菅原道
真公」が祭られていると伝わるが、本来は学問の神ではなく怨霊封じである。曲がりくねった天神道は徘徊撮影にはとても楽しく、古い地名が停留所名になっていたり、立派なお風呂屋も数多く存在するのでシャッターがバンバンと切れる。天神道を八幡宮道へ曲がると横浜市市電保存館が在りマァ、こんな機会に入ってみっかっ！と100円の入館料を支払う。バカにしていたのだが、ビックリ仰天、シャッターの回数はおびただしく増えた訳である。

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休日、起床したのはナンと10時半すぎであった。勿論、午前ダカンねっ！障子越しに空を見上げると曇り空だ。陽気は寒くないので徘徊向きだが曇り空は写真向きではないンだな。テレビのスイッチを点け、ヤカンに水を入れて湯を沸かし、庭に出て門柱脇の新聞受けに「ツッカケ」を手繰って取りに行く。陽気は寒くない。梅の花は満開である。行き先は未だ決定していなかったので、東西南北サイコロを振る。南が出た。ヤカンのお湯も沸いたので珈琲の支度をし洗面所で歯ブラシに１センチ程のクリアクリーン(歯磨き粉です)を擦り付け、コシコシと動かせながら珈琲も落とす。皆さん、歯磨きは何処の歯から開始しますか？上顎右奥歯からなのか？それとも下顎前歯からなのか？更にその外側からか内側からか？珈琲落としに集中しているので、普段は何処の歯から開始するのかを疑問に思った訳ですなっ！マァいい、無事に歯磨きね儀式を終了し次に洗顔の禊も行うが、その間にはお湯注ぎ二度目の珈琲抽出の儀も終了している筈である。いいですかっ！この起床から
の一連の数多くの作業は10分間という妙技です。珈琲を居間に持ち込み、テレビのチャンネルをニュース系にして天気予報及び気温の検証をしながら煙草に一服点け、新聞広告も眺める。その間には先程の東西南北サイコロの神託つまり結果を踏まえて磯子方面への徘徊経路も思案する。もう一度、いいですかっ！この一連の作業や思案は寝ぼけ眼で行っている訳である。