長谷川よしきのブログ

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議員定数削減が議会改革でしょうか?

2009年11月28日 | ブログ

 2009年11月26日(木)午後2時からキッピィーモール6階で開かれた「コミュニティバス等検討委員会」の傍聴をしました。この日は私のほかに3名の市議による傍聴もありました。

 この検討委員会は本当に市民の交通の便を図ろうとしているのか、少々疑問を持たざるを得ないというのが傍聴しての率直な感想です。今回で2回目の検討委員会ですが、次回は1月28日に予定されており、12月にとる市民アンケートの結果検討をする事になっています。

 ところが、この市民アンケートは55歳以上の市民3万人を対照として抽出した3千人にアンケート用紙を送り、「高齢者をはじめとする移動制約者の日常における交通手段の実態について把握」することが目的とされています。

 確かに、高齢者の交通手段は深刻ですが、それは三田市が計画地域としている国道176号線の東北部(高平・小野・乙原地域)でのコミュニティバス運行により解決できるものではありません。市街地でも特に西山や天神地域では位置的に高台となっており、バスが通っていないため、高齢者にとっては危険で急な坂道を通わねばなりません。ところがこの地域はコミュニティバス運行の予定がされていません。

 今回のアンケート内容を決めるにあたっても1回だけの会議で決めてしまうのではなく、市民の望むコミュニティバスやディマンドタクシー(ディマンドバス)など、もっと丁寧で慎重な市民要望の把握が必要ではないでしょうか?高齢者を中心とする交通手段の確保が目的ならば、高齢者自身の参画でアンケート内容の検討が当然必要だと思いますが、いかがでしょうか?

 夜になり、午後6時30分からは「三田を愛する市民の会」主催の「議員定数削減を考える」集会に私を含め5名の市議がひな壇に座り、約30名の市民が参加しました。

 この会の目的は、議員定数を削減することが市の財政を救うという観点でとらえられており、また、市議の活動が市民に見えないとも意見が出されました。また、会の会長のお友達が震災で障害者となり傷害福祉年金を受けていたが、所得制限が厳しくなり、傷害福祉年金が受けられなくなり、現在は生活保護を受けておられるとのこと。弱者にしわ寄せをしてはいけないが、しわ寄せされた人たちの痛みを市議自ら痛みを分かち合わなければならない(議員定数をしなければならない)と主張されました。

 市議の活動がよく見えないという点は確かに私たち市議の市民への報告なりが不足しているでしょうが、それは個々のの議員の努力であって、そのことと議員定数削減とは全くつながらないのではないでしょうか?私自身議員となり、議会報編集委員の役をいただいた最初の会議で、三田市の現在の議会報ではどの市議がどの内容で議会での質問をしたのか分からないようになっているので、市民からは市議の活動が分からない。質問内容と市議の名前が分かるように表記を改善することを主張しましたが、最初の会議で私の主張は拒否されました。それぞれの議員が自分のニュースなどで市民に伝えればよいということが反対された理由でした。また、「自分の名前を売るためのパフォーマンスで質問をする人もいる」とも言われましたが、私自身は議会での質問は全力でぶつかっており、とてもパフォーマンスで出来るものではないと自覚しています。議員定数を削減することで、市議の活動がよく見えることになるのでしょうか?むしろ逆ではないでしょうか?さらに、活動を報告したり、考えをお伝えするために、日常的に私はニュースの発行や毎週の駅での訴え、市内を宣伝カーやバイク、自転車に乗ってたくさんの方々にお会いしています。また、ブログで率直な意見も表明したり、活動内容も報告しています。お会いしながら実情を受け止め、またご要望やお困りのことを解決するために活動しています。勿論十分ではありませんが。しかし、どこまで頑張ったら「見える」と判断していただけるのでしょうか?調査や会議などもあり、毎日外出しているわけではありませんが。

 「市の厳しい財政の折、職員給与削減や職員を減らしているのだから、議員の定数を減らすのが当然」との見方をされています。また、会の皆さんは「コスト意識が必要で定数削減が必要だ」とも主張さています。行政を厳しくチェックし、市民の願いを実現するために議会があり、議員が市民の声を受け止めて活動するという大切な役割を果たしています。多様な意見があるからこそ多様な意見を受け止めることが出来るシステムが必要であり、少数精鋭の議会はありえないことです。どれだけの議員の数が少数精鋭となるでしょうか?その基準は無く結局は限りなく少数で十分であることになってしまいます。そこでは民主主義がなくなってしまいます。市長と僅か数人の議員さえあれば十分ということでは市民の声が届かない議会となってしまいます。勿論今の議員定数事態明確な根拠があるわけではないでしょう。しかし、ひとつの基準として人口から割り出した定数で多様な意見を反映できるようにしている今の法定議員定数は尊重する必要があります。

 出席者から、「議員の給料が年間1千万ある」とも言われていましたが、大きな誤解です。何を根拠に給料が1千万円と言われるのでしょうか?月々の税込み給料は49万円。しかし、実質の可処分所得は20万円台です。そのなかから活動に必要な費用を出しているのです。(勿論、視察や調査のための費用として「政務調査費」が月額一人当たり4万5千円出ていますが、やりくりして使っているのが現状です)

 さらに、議会改革プロジェクトチーム(PT)が議員定数を削減した他市を視察したことは、けしからん。「先ず私たち市民の意見を聞くべきであり、今後他市への視察はするべきでない」とも主張されました。削減の結果、どのような効果が上がり、またどのような弊害が出ているのか、先に議員定数削減を実施した他市の調査は当然であり、三田市民の意見を聞くより先に他市へ視察したことはけしからん、これからもその必要がないとの主張は余りにも暴言ではないでしょうか?もう少し冷静にお考えいただきたいと思いますがいかがでしょうか?

 「議員定数削減に賛成か反対かを述べてください」との質問については、はたしてそれが生産的なのでしょうか?賛成の市議には拍手されても反対の市議には拍手されません。何故反対なのか、何故賛成なのかの丁寧な説明とそれぞれの説明を受け入れることが大切ではないでしょうか?削減反対はけしからん!のでしょうか?