立春を待っていたように、室内のアマリリスが大輪を開いた。道路に雪がないまま立春を迎えた。ここへ来て、東京をはじめとする関東地方に大雪の情報がでている。昨年の暮から、本来降るべきでない地方に大雪が降り、当然降るべきこの地方には雪が少ないという現象が起きている。大寒で雨が降ったり、3月末の気象現象が起きている。これも大きなトレンドになっている地球温暖化がもたらしている現象といっていい。
ギリシャ神話に「アマリリス」という題の話がある。これによると、アマリリスは羊飼いの少女の名だ。花好きの少年アルテオに思いを寄せる。アマリリスは、神に祈ってもらった弓矢で自らを射て、血の色の美しい花を咲かせた。その花を贈って少年のハートを射止めたという話だ。ギリシャ神話には、花を題材にした話が多い。神々が地上の花を愛し、物語の背景として花が歌われる。
娘は、
オケアノスの胸ふくよかな娘たちと戯れ、
柔らかな牧場のなかで花を摘んでいた。
ばら、クロカス、美しい菫、
さらに菖蒲にヒヤシンス、そして水仙。
凛とした朝の冷たい空気を吸って戸外に出た。水仙は芽をおおきく伸ばし、南天の小木は、赤い実を、さらに赤く輝かせていた。季節は行きつ戻りつしながら、待ちかねた春の気配がここそこにある。
入眠の際に、昔話やグリム童話、神話の朗読などを聞くのが習慣になった。1、2話と聞いているうちに知らず知らずに眠っている。こうして入眠すると不思議に朝まで起きずに眠る。少し時間があれば、ユーチューブの対談動画を聴くようにしている。本を開くよりも、対話の動画にある間、というものに愛着を感じている。古舘伊知郎、成田祐輔、のんなどのチャンネルに対談が組まれている。そこには、ニュースへに向き合い方に、人それぞれの個性を感じる。