常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

笑いと怒り

2023年07月12日 | 日記
天気が安定しない。昨日の予報では一日雨のはずであったが、朝から青空。これから雨になるらしいが、山行の予定は中止にしないでもよかったような気がする。雨の心配をするより、梅雨明け10日の晴れを待ったほうがいいような気がする。もう20年以上も前だが、山の会に入って初めての山行。頂上付近で雨があがり、見渡すかぎりの絶景を見ながら撮った写真がある。我ながら、こんな腹の底から笑いがあったのか、という笑顔が写っている。自分一人ではなく一緒の人も同じ笑顔だ。

タイスマイルという言葉がある。日本人の笑顔に比べ、タイの人々の笑顔は心底嬉しそうな笑顔だ。無心の心がそこにはある。山の上で撮った写真は、このタイスマイルに匹敵するもであった。以前、ソース顔、ショウユ顔が流行語になったことがあった。ソース顔の代表は俳優の阿部寛さんということになっている。日本人離れして彫が深く、ワイルドな顔である。ショウユ顔はスッキリした日本人らしい優しい顔。福山雅治のような顔ということになる。

顔の分類には縄文人、弥生人という分け方もある。その時代に出て来る土偶や埴輪から見える特徴がある。縄文の土偶には、ズングリした体格で力強く、堂々としている。一方の埴輪は、スリムな体形、可憐さと品格を備え、どこか文化の香りを漂わせている。顔に注目すると、土偶では眼と口を逆三角形のようみ貼り付けているの対し、埴輪では眼と口の造形を意識している。横に切れた眼、小さな口元に加え鼻もついている。土偶に比較して進化しているように見える。

山折哲雄の『日本人の顔』が面白い。道化の面の「オカメとヒョットコ」があるが、ヒョットコの面は火吹き男。口をすぼめているのは、ふいごの火を吹いている姿で、鍛冶の伝承と結びついているという、解説がある。般若の面は、耳の方まで裂けた口と見開いた眼には、悲しい表情を浮かべている。怨念や嫉妬の感情を秘めている。嫉妬に狂った女が男に復讐する鬼女のシンボルである。
コメント
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