常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

新緑

2020年04月29日 | 登山
一週間ぶりに千歳山に行った。目に飛び込んできたのは、鮮やかな新緑だ。所々に、ヤマツツジが咲いている。ヤマザクラは散り、季節は足踏みをすることなく移ろいを見せている。山道を歩く人も少なく、小学生を連れた若い人と時折り行違う。山仲間一人と懐かしい顔を合わせ、しばし近況の話をかわした。

目には青葉山ほととぎす初鰹 芭蕉

視覚、聴覚、味覚と人間の五感に感じる初夏を詠んだ芭蕉の句だ。この季節の新緑は目にやさしく感じる。パソコンやスマホで酷使している目は、新緑を遠目に見ることで癒される。

詩吟の吟題に「青葉の笛」がある。平家の御曹司敦盛が秘蔵した笛である。弘法大師が唐に渡ったとき、青龍寺の竹を採って自ら作った笛と伝えられている。笛になってから不思議なことに青葉が生えてきたいう伝説がある。帰朝して、大師はこの笛を嵯峨天皇に献上した。天皇はこの笛に青葉の笛と名付けて珍重したが、後に平家に譲られ、敦盛が秘蔵することになった。

一の谷の合戦で、熊谷直実は沖に漂う敦盛を見つけたが、あまりの年少に助けようとしたが、敦盛はこれを断り海に散って行った。この時敦盛がこの笛を携えていた。
松口月城の漢詩も海上で吹かれた笛の音を詠み、この合戦の悲劇は明治の小学校唱歌にもなった。
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