goo blog サービス終了のお知らせ 

みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0704「おやつ盗難事件」

2019-11-03 18:38:25 | ブログ短編

 学校(がっこう)から帰って来た好子(よしこ)は、空(から)になった菓子箱(かしばこ)を前にして呟(つぶや)いた。
「おかしいわ、今朝(けさ)はちゃんとあったのに…。誰(だれ)の仕業(しわざ)かしら?」
 好子は遅(おく)れて帰って来た妹(いもうと)に、「わたし達(たち)のおやつ、なくなってるわ」
「おやつ…? ああ、それならいつもの所にあるんじゃないの?」
「それじゃないの」好子は菓子箱を妹に見せて、「これよ。わたし、楽しみにしてたのに」
「ああ、それは、お母さんが――」
「そうよ。今日の分だから、手をつけちゃダメよって、言われてたやつよ。それがなくなってるの。これは事件よ。絶対(ぜったい)に犯人(はんにん)を捕(つか)まえて、取り戻(もど)さなきゃ」
「お姉ちゃん…。捕まえるって、そんなことしなくても…。それに、お母さん――」
「ああ! そうよ、これはきっと…。でも…、何か、何か欠(か)けているわ。この事件(じけん)を解(と)くためには…。何か見落(みお)としていることがあるような気がするの。それが何なのか…」
 その時、お使いに行っていた母親(ははおや)が戻(もど)って来た。好子は、さっそく尋問(じんもん)を始めた。
 母親は、「ああ、それはお客(きゃく)さまに出したわよ。あなたも知ってるでしょ。大崎(おおさき)の伯父(おじ)さん達がみえたのよ。昨日(きのう)、二人にはお話ししたでしょ?」
「わたし、そんなの聞いてないわ。わたし達の分じゃなかったの?」
 妹が言った。「あたし、聞いたわよ。お姉ちゃん、推理小説(すいりしょうせつ)に夢中(むちゅう)だったじゃない」
<つぶやき>人の話はちゃんと聞きましょうね。そうじゃないと、勘違(かんちが)いをすることに…。
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする