海外のニュースより

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「堀江貴文、東京証券市場に恥を掻かせた男」と題する『シュピーゲル』紙の記事。

2006年01月21日 | 国際経済
今日、東京証券市場が暴落した。歴史上初めて取引が早めに終了した。すべては、正体不明の登場で日本のビジネス界を驚かせた日本の33才の企業家のせいである。世界中の投資家を震え上がらせたこの男は一体何者か。
ハンブルク発:結局、堀江貴文は、文字通りロードグリップを失った。彼は2005年に福岡で開かれた第56回宇宙旅行会議で、宇宙旅行を提供するつもりだと宣言した。5年以内に宇宙旅行希望者は、数日間の地球周回旅行に出かけるように配慮したいと彼は言った。それから半年後の今日、堀江は、彼の高く飛ぶ計画の実現からは、太陽が隣の星と離れているぐらい離れている。日本経済の頬のふっくらしたこのアンファン・テリブルは、検察庁の標的になった。堀江の国際的コンツェルンである「ライブドア」の株価操作と粉飾決算が問題になっている。
ライブドア社と堀江の自宅に対する夜間の立ち入り捜査の報道は、この数日間、東京証券市場に地震を引き起こした。日経指標が昨日17日、株価下落を記録した後で、株式市場の指標は、今日も2.9%の下落で終わった。仲買人席の責任者は、それどころか、取引を20分間短縮した。その理由として、異常に多い取引数が挙げられた。
堀江にとっては、状況は厳しい。非難が正しいことが分かれば、新聞報道によれば、彼に懲役5年の可能性を示唆している。日本の青年達は、アイドルを失い、日本株式会社の保守的体制は、もっとも手に負えない対抗者を失った。なぜなら、攻撃的なビジネス姿勢をもつ堀江ほど合意を考慮するこの国に対抗したものは誰もいないからである。
堀江がエリート大学の東大に入学したとき、既に彼は群れからはみ出ていた。文学と宗教の研究を中断して、彼は「リビング・オンザエッジ」というインターネット・サイトを創設した。後に彼は調子の悪いライブドアを買収し、この会社を日本の指導的ITコンツェルンにした。2000年以来、この大学中退者は、20社以上の会社を買収した。今日ライブドア社は、ウエッブ活動、DVDの貸し出し、インターネット・オークション、投資顧問サービスで金を稼いでいる。
その際、堀江は、大もうけをし、スター企業家が必要とするあらゆるステータス・シンボルを手に入れた。例えば、フェラーリや個人ジェット機や贅沢な住まいである。彼の最初の結婚は失敗し、それ以来、彼は、あるモデルと同棲している。それに加えて、堀江は、日本のビジネス世界の硬直した教団規則に楯突いた。義務的なビジネス・スーツの代わりに、彼はTシャツと木綿のズボンを好む。彼が公然と見せつける個人主義でもって、堀江は急速に青年達のアイドルにのし上がった。彼のファン達は、日本で非常に愛好されている漫画の主人公「ポケモン」になぞらえて、彼を「ホリエモン」と呼んでいる。
彼は日本では自明なものの基本を揺すぶった。「金を儲けるものが勝ち組」というような本で、彼は、集団思考を攻撃した。老人に対する尊敬についての彼の発言は、同じぐらい挑発的であった。「一番役に立たないものは、年寄りの説教だ」と彼は断言した。保守的な陣営には、ニューリッチの企業家は、友人がいない。
昨年、堀江が日本の最も重要な私営のテレビ局であるフジテレビを買収しようとしたとき、彼は年上の先輩との公然たる戦争になった。彼の目標は、世界最大のメディア・コンツェルンを作ることであった。電撃戦法で、彼は夜間取引を通じて、フジテレビ株の大部分を所有する日本放送の株の多数を買った。これでもって、堀江は、日本で夜間市場での株購入について大きな議論を巻き起こした。
結局、彼は自分の意志を貫くことはできなかった。フジテレビがライブドアの株を買うことを前提にある妥協が図られた。けれども、堀江はこの件で脚光を浴び、買収攻勢はPR効果を発揮した。
彼の行程は政治にも及んだ。小泉純一郎首相の要請で、彼は無党派の候補になり、去年の衆議院選挙では、「刺客」として、長老の亀井静香と選挙区で争った。亀井は、その前まで自民党内の郵政改革に反対を組織していた。堀江は、確かに69才の亀井に選挙では負けた。だが、選挙に登場したことで彼の反逆者の名声は高まった。
堀江の敵対者は、絶望の果てに近かったに違いない。それだけ現実のスキャンダルについての喜びは、大きい。古い陣営は、サクセス・ストーリーの終わりを感じ取っている。「体制派が今度は反撃した」と東京に駐在しているある西欧の外交官は述べた。
堀江に対する疑惑が正しいことが分かった場合には、彼の宇宙旅行と並んでもう一つの計画が頓挫しかけている。そういうわけで、この百万長者は、さしあたり、自分の経歴にについて自分が歌った歌の入ったCDを市場に出すつもりだった。記録媒体の上で、彼は特に「ヒーロー」という歌を披露した。日本の新聞報道を信じると、このCDの発売は、現在進行中の捜査のために危うくなっている。
[訳者の感想]かなり多くの外国のメディアは、ホリエモンの功績を評価しているようですが、ライブドアという会社が次々と買収をしながら、実際は本当に株価に見合ったような事業をしていたのかどうか、私は疑わしいと思っています。最近アジア人で国際的な話題になった人としてはES細胞のクローンねつ造の黄教授や中国訪問の金正日総書記と並んでホリエモンが登場したという感じです。
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1 コメント

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Unknown (kts)
2006-01-22 11:25:01
彼はとっても胡散臭かった。

でも純粋な部分も感じるし・・・。

私には理解しがたい人なんだけど、もしかしたら子供だったんじゃないかと思ったりします。
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