戊辰戦争で敗れた会津藩士の謹慎所と金谷山狼谷にある会津藩士墓地を高田に訪ねた。この上越高田の駅から5~6分の所に幕末から続いている宇喜世という割烹料亭がある。最初は仕出し屋から始まり、昭和になり宇喜世という屋号にかえたという。明治の中期、ほんの一時期、「日進館」という洋食屋に変えた話が伝わる。字こそ違え「にっしんかん」という言葉には反応する。宇喜世は木造2階一部3階建の桟瓦葺、東西37m南北14mで、北面西端に突出部を設けるL字型の平面で、北面中央西寄りには唐破風造屋根の玄関を付け、2階の153畳に及ぶ大広間や、部屋ごとに意匠を違える3階客間などをもつ近代料亭建築の一例として平成20年、造形の規範となっているものとして登録有形文化財に登録された。同時に東門、北門も国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録有形文化財として登録されている。
客がお部屋を使っていなければ他の部屋も見学させて貰えそうなのでお昼にお邪魔した。お部屋での食事は室料が掛るという事で、おそるおそる予約をいれた。時季外れだったのかこの時のお部屋代は一人当たりタバコ代にも満たない金額だった。食事代より部屋代が高かったら如何しようと思っていただけにホッとする。使用の時間帯や季節によって、お部屋代も変わるのだろうが、料亭でお部屋代が掛ると書いてあると躊躇するものがあるが、ここは是非、図々しく電話で室料を確認して部屋での食事をお薦めしたい。
写真はお昼の松花膳
大広間と水車の軸を利用した階段手すり
通されたのは「月の間」、お店からこの部屋のポストカードを貰った。
掛け軸の月 壁にくりぬかれた月 庭の木立の向こうの月、座卓には江戸切子のグラス。
温かみがあって余韻の残るイラストはひぐちキミヨさんの作品。写真より何倍も雰囲気が出ているので載せさせてもらった。この方の原画を見てみたい!東京で個展でもやれば飛んでいくのに。
料亭 宇喜世
上越市仲町3-5-4
025-524-2217