高橋まゆみ・創作人形「まゆみの気まぐれ日記」

農道をかっぽして歩く笑顔のおじいちゃん。姿が見えなくなるまで手を振るおばあちゃん。やさしさはいつもそばにいた。

風の盆

2006-09-04 22:27:32 | まゆみのつぶやき室
9月2日、私は富山八尾町にいた。
大切な人の一人、坂田さんご夫婦に前々から声をかけていただいていた「おわら風の盆」がとてもいい・・と言う事で一度確かめたかったのだ。
今回はラッキーな事に、坂田さんの伝で、一軒を貸しきる事が出来、米や飲み物を持参し、13人ほどの雑魚寝の合宿が始まった。
八尾の町に生まれた人はこの2日間を一年かける・・というくらい練習に励むそうだが、交通規制があると言う事で、午前中に着いた私達はまず町を散策。石畳の下を水が流れる音がする。灯篭が道案内をする。穏やかな坂道を下駄がカラカラ行きかい夜店のソースの匂いが食をそそる。
そんな時間を過ごしてお待ち兼ねの夜がきた。
期待と好奇心、浮かれ立った足は音のする方へと向かう。

何人かの女性が笠を深くかぶり、粋な着物姿で町を練り歩く。
胡弓の主旋律に三味の音、搾り出すようなおわら節。
そんな街流しを探していると、いつの間にか小さな町の道路は観光客で溢れていた。踊りを見るというよりも人を見る・・と言う感じで、ひとまず退散。

坂田さん曰く、人が少なくなってからがいいんだよ!・・・って一体何時だよ!
もう12時だぜ!・・・10時頃にはいつも寝てしまう私にとっては未知の世界。
しかし、折角きたんだから、見なきゃ損。
頑張りましたよぉ~。
そうこうしていると、何処からとも無く、すぅ~っと踊り手たちが主張もせずに淡々と無表情で街を流す。
いつの間にか追いつかないほどあちこちで、さまざまな人たちが自分のおわらを踊り出す。一人で胡弓を引き流す人。ひょっとこの仮面をかぶり踊る人。年期の入ったご年配の男踊りを見せる二人。中年女性の色気と貫禄で踊る連。
さまざまな風の盆は夜通し、伝えられてきた伝統を踊り続ける。
体が覚えてしまう踊り・・・何年か離れてもまた踊りたくなってしまう・・・という地元の人の言葉を聴いたが、時間が経てば経つほど、八尾の人は疲れた顔も見せず、媚びない踊りをさらけ出す。
風の盆恋唄は読んでいないけれど、恋が生まれても不思議でない御祭だ。
朝まで、頑張れなかったが、来年は絶対起きて見てやる・・・と思うのはわたしだけでしょうか???