ルリ釉薬・中鉢
昨年来お気に入りのルリ釉薬の中鉢が出来ました。 残念ながら実用には使えません。
140φ*80hで重さが400グラム余りあり重すぎるのです。 形は台湾の鉢を参考にしました。
手に持って使うことを考えると300-330グラムがほしいところです。
手に持って使う什器は適当な重さでないと使いものになりません。 難しいです。
今後のことを考えて問題解決のための検討をしました。
作品の比重を測定するためにボールに水を張って溢れ量をはかり、容積を求めます。
重量ははかりで測り、重量/溢れ量=比重 で測定しました。
今まで作った作品を5点同じように測定しました。
結果は 陶器比重=2.3-2.5でした。
次に粘土の比重測定しました。 白土、荒白土とも1.9-1.95でした。
ついでいつも問題になる収縮率の測定です。 以前作ったビヤカップを使って作陶時と焼きあがり
時の寸法測定しました。 理論的には3次元に収縮するので体積収縮率を求めました。
結果は体積収縮率=64%でした。 平均収縮率にすると14%です。(0.86*0.86*0.86)
しかし口径は11%、高さは15%でした。 均一には収縮しないこと。 開放端の方が大きい。
これらのdataを使ってルリ釉薬の中鉢の”厚さ”を計算しました。
表面積=310cm2 比重=2.3 重量=414g 高台、底部など
結果は av厚さ=4.5mm でした。
これでは重たくなるのは当たり前です。 3mm-4mm位でなければ。
全体の重さを320gにするには 3mmt にしなければなりません。
収縮率を勘案して3.5mmで作陶をすべきでした。
これらの結果から今後は目的の品物の容積を決め使用する粘土の重量を決めて作業が
厚さのオーバーを防げるように計算図用を作りました。
おそらく専門的に陶芸をやっている人はこのようなことぐらい当然なのでしょうが。
鉢物作成 3mm-4mm 図表
作家は小鉢は2-2.5mmt、中鉢、大鉢でも3.5-4.0mmtで作っています。(・)
信楽焼:荒木漢一、笠間焼:景山忠、益子焼:三宅洋司 さん 作品
ちなみに板原摩紀さんのお茶碗、フリーカップとも2.7-2.8mmtでした。
(160-200g) さすが!!
赤楽の抹茶茶碗は3.2mmtでした。 (258g)
<製作中>
ピラミッド形花瓶、乾燥中 7mmt*140*210h
折角先輩から荒土を譲っていただいたので、特性を生かした、大型作品、粗仕上げの
作品をつくりたいと思っていました。
思いつきでピラミッド形の花瓶を作りました。 タタラつくりのため自宅でつくりゆっくりと
乾燥させるようにします。 釉薬は目立たないように、粗さが残るようにしたいと思います。
久しぶりに理科の実験、ラジアン解析、モデル解析など頭を使いました。 これからも
問題解決のために経験を土台にしながら理屈でわかるところは、解析しましょう。