楽しまなくちゃー!!! "Carpe Diem !"

趣味の陶芸、写真、園芸、ボーイとの交遊

宝塚民話 no.1.1 仁川の大池

2022年06月07日 | 宝塚民話巡り

宝塚民話 no.1.1 仁川の大池
むかしから、池や沼には「ヌシ」といって水の精がいると言い伝えられています。
仁川にある鹿塩の池のヌシは坊主頭だったので「坊主池」と呼ばれていました

また、暑い夏がやって来ました。 
鹿塩の子ども達は今年もこの池で水浴びをしようとやって来ました。
昨年、池のヌシに水の底へ引きずり込まれ、
もう少しでおぼれ死ぬところだった次郎坊は
「今年もヌシが悪さしよるかもわからん。気いつけや」
「こんど悪さしたら、みんなでこらしめたろうな」
ごん太もひきずり込まれかかったことがあるのです。

遊びに夢中になり、ヌシのことを忘れてしまった時
「キャー、助けてー」太郎坊の声です。
太郎坊の手が、水面から消える瞬間に次郎坊とごん太は
やっとのことで助けることができました。

翌朝、里の子らが集まって相談が始まりました。
「このままでは安心して水浴びもできん」
「なんとかして、ヌシをこらしめねばならんぞ」
相談がまとまりました。次郎坊とごん太の腰に綱をしばり、
二本の綱はよられて一本となり、
里の子ら全員が持ちました。太郎坊が指揮者です。

次郎坊とごん太は長い一本の綱のはしをそれぞれ持ち、
水の中に入り、おぼれかかるまねをしました。
するとどこからともなく、ヌシがやってきて、
次郎坊の足をつかみました。

間いっぱつごん太はヌシの回りを泳ぎ、
綱でグルグル巻きにしました。
太郎坊の合図で子どもらは、綱を引き始めました。
ヌシはとうとう岸に引きずり上げられてしまいました。
子どもらに囲まれたヌシは坊主頭をかきながら、
「悪気があってのことではないんや、
君らも坊主頭やろ。それでな、おれの友達かと思い、
遊びたかっただけなんや。
これからは気いつけるさかい許してくれ」と、あやまりました。

子どもらに許され池に帰ることになったヌシは、
「今度から池で泳ぐ時は、わしの友達と間違えんように、
頭にトンボをのせといてくれや」といって帰っていきました。

それからは鹿塩の里では「鹿塩のトンボ」といって、
男の子が生まれると、
頭にトンボを置いて、水難をはらう風習があるそうです。
本文は以下です
この写真は宝塚市のオープンデーターを利用しています
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿