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天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

映画『バス停留所』歌が旨いM・モンローだが役柄上逆に下手に歌う酒場シーンでは見事な演技で監督に応えた

2011-02-13 13:52:16 | 日記
今日の日記は、今お茶の間鑑賞している映画『バス停留所』(1956年製作 ジョシュア・ローガン監督 マリリン・モンロー ドン・マーレー主演)のことです。添付した写真は、西部アリゾナ州フィニクスの酒場歌姫役、マリリン・モンロー(左)と彼女に一目惚れしたモンタナ州の片田舎に育って女を知らない21歳のカウボーイ役、ドン・マーレー(右)です。
この映画は、ウィリアム・インジ原作による同名のブロードウェイ・ヒット・コメディの映画化です。だから、そのストーリー展開はしっかりとしているので、製作する監督は、その優れた基本プロットに演じる役者の魅力を十二分に引き出せば、自ずからその映画は成功します。だから、その意味でジョシュア・ローガン監督は、見事にその手腕を発揮して、モンロー映画の名作を生んだ名匠です。
映画では、女に初心なカウボーイ(ドン・マーレー)から”天使”と思われた酒場歌姫(マリリン・モンロー)が、掠奪結婚の末彼の故郷への帰りバスへ誘拐された時、彼に優しく静かに次のように語ります。
『私は十二の時から男の子と付き合ってきたわ もちろん結婚したいし、家族も持ちたいの 見上げて尊敬できるような男がいいけど 私を脅かすような男は嫌よ 優しい男がいいけど、私を赤ん坊扱いするのは嫌!』
このマリリンの言葉は、マリリン自身のそれまでの人生を自ら語っているような気が私にはしました。そして、若い女性は「詩」が好きだと親替わりの友人から聞かされたドン・マーレーには、マリリンがマスコミに聞かれて尊敬できる人物としてあげた「リンカーン」を、その彼の演説文を憶えている「詩」として映画で語らせています。ブロードウェイ作品を、映画主演者のマリリン・モンロー用に巧みに脚色した粋な演出です。
また、歌が旨いマリリンでも、騒々しい酒場で歌うシーンでは、役柄上逆に下手に歌う必要がありました。でも、マリリンは見事な演技でその要求に応えています。さらに、原作に書かれていた「夜の歌姫特有な不健康で蒼白な肌」を、朝まで歌い踊り、昼まで寝ていて太陽を見ることがめったにないような女性にメークアップで完全に変身していました。
しかし、これほどのマリリンの熱演でも、アカデミー主演女優賞に彼女はノミネートすらされなかったのです。アメリカのマスコミや映画界は、自分たちが勝手に創り上げた既成倫理や概念を捨て去ることができなかったのです。そしてその結果、女優マリリン・モンローの悲劇がまた一つ生まれてしまいました。


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