天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

映画『七年目の浮気』原作戯曲者ジョージアクセルロッドは「マリリンモンローは映画保護者達に利用された」

2010-07-19 16:42:23 | 日記
今日の続々編日記も、映画『七年目の浮気』(1955年製作:ジョージ・アクセルロッド原作戯曲 ビリー・ワイルダー脚色・監督 マリリン・モンロー トム・イーウェル主演)のことです。
マリリン・モンローの評論『マリリン・モンロー 最後の真実』(ドナルド・スポト著:小沢瑞穂 真崎義博共訳 1993年光文社刊)から、この映画のマリリン・モンローが屋外シーン用に、2カットだけ撮影したニューヨーク騒動記の記述を一部抜粋し、ここに掲載します。そして、その問題の1シーンである窓からマリリンが「髪を洗ったばかりなの!」とトム・イーウェルに叫んだ映画での写真を添付しました。
『9月13日には、2回のニューヨーク屋外シーンのうちの、最初の撮影に一千人もの見物人が集まった。そのシーンは、フォックスのスタジオでも簡単に撮影できるはずだったが、それでは夢のある宣伝効果がなくなってしまう(それだけがニューヨーク行きの狙いだった)。どの新聞も雑誌も、一斉に特別記事やインタビュー記事を載せ、早くもフォックスの会計担当者たちは「七年目の浮気」の収益額の目当をつけていた。群集が歓声をあげ、静かにするように言われたところで、マリリンはイースト61丁目164番地の窓から、身をのり出して「ほらっ!」と叫んでイーウェルに靴を放り投げる。「ハーイ!」続けて陽気に大声で呼びかける。「髪を洗ったばかりなの!」カット。撮り直し。撮り直し。プリント。それだけだった。ひどく簡単そうに見えた。ところが、製作中、居合わせたジュージ・アクセルロッド(私注:この映画の原作戯曲者)によると、マリリンは撮影の瞬間を相変わらず怖がって、際限なく監督に撮り直しを求めることになった。マリリンは利発で機知に富み、生来の知性とユーモアのセンスがあったが、自分ではどれも信じていなかった、とアクセルロッドは回想する。「彼女は成功したいと異常なほどの熱意に燃えていたのに、演技や映画製作の専門用語を一切知らないばかりに、”保護者”たちに利用されることになった。彼らはやりすぎない程度にマリリンを指導し、励ました。でないと、失業してしまうからね」』
マリリン・モンローの真実(利発で機知に富み、生来の知性とユーモアのセンスがあったが自分では認めず)を、垣間見るこの映画の原作戯曲者ジョージ・アクセルロッドの回想談話です。このように、見事に完成され華やかに装飾された映画には、その途中過程で起きた様々な出演者の出来事が影に隠されて存在しています。

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