天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

髙田礼人著『ウイルスは悪者か』ウイルスそのものを悪とは行過ぎで彼ら環境にヒトが接触の著者見解に共感す

2020-10-14 09:45:23 | 日記
今日の日記は、今読んでいる髙田礼人著『ウイルスは悪者か お侍先生のウイルス学講義』(2018年11月初版・亜紀書房刊)で書かれた「スペインかぜ」と著者の「ウイルスに関する学術的な私的印象」の事です。添付した写真は、その著書の表紙です。
この著書から、私が興味を抱きとても参考になった著者(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター教授)の記述の一部を、以下に引用掲載します。
『1918年に発生した「スペインかぜ」の発生地は、いまでは米国だと考えられている。1918年初春に米国内の兵舎で発症が確認され、米国兵士が船でヨーロッパに出兵する船内で感染が広がった。4月にはフランス戦線に、4月末にはスペインに、6月には英国にまで及んだ。当時の第一次世界大戦参戦国は、その流行の発表を控え、警戒や対策が疎かになって、その被害が拡大したのである。そして、非参戦国だったスペインで、インフルエンザの流行がようやく発表され、「スペインかぜ」と呼ばれるようになった。日本や中国でも、ヨーロッパとほぼ同時期に感染が確認された。・・その後、多くの研究者がスペインかぜを引き起こしたウイルスの探索を続けた。・・1997年米軍の研究施設に所属する研究者が、施設に保管されていたスペインかぜの犠牲者の病理標本から、インフルエンザウイルスのRNA断片を検出、遺伝子配列を解析した。2005年になって全配列が解読され、野生の水禽で保持されているウイルスの配列と近く、鳥から何らかの形でヒトに感染した可能性が高いことが明らかになった。・・野生動物によって病原体が運ばれる人獣共通感染症は、病原体を撲滅することなどまず不可能だ。・・自然界におけるウイルスの存続様式は、ヒトをはじめとする生物と、基本的には変わらない。ウイルスは、地球上に存在する生命体の一部であり、病原体かどうかはもはや問題ではない。でも、宿主であるヒトに致命的な病気を引き起こすのは、自然界の中で静かに生きていたはずのウイルスの環境に、人間が頻繁に接触し始めたからだ。ウイルス感染症は人間社会にとって脅威だが、ウイルスの存在そのものを「悪」とみなすのは行き過ぎている。』
この著者は、北大獣医学部出身の研究者です。感染症には、現地に行って直接その発生原の動物を捕獲検査する行動優先のサンプル実践派の病理学者でもあります。だから、その主張にはとても説得力があると私は思います。また、「スペインかぜ」と命名されたその発生地を間違えた経緯は、今日の新型コロナウイルスの学術用語(発生場所不明記)決定に強く影響していると、私は今得心しました。
しかし、どう呼称を決定しようと、中国の武漢が発生地である事は紛れのない事実です。中国政府は、その自国の感染をうまく抑えた事だけで満足し、その発生源の調査(WHOが全く調査に関与せず国際機関の査察も認めない隠蔽処置だけ)を全く実施していません。
だから、私は中国政府要人に、この著者の1997発生した「香港かぜ」(中国の一部)において、感染地で積極的に野生動物の調査した医学的調査行動を是非見習って欲しいです。しかし、残念ながら共産主義国家の現政権では、全く無理としか言えないです。
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