インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

ナンセンスなスローガン、「がんばろう!」

2011-04-14 23:49:08 | 苦しみを分かち合う
  たまには真夜中に酒でも飲んでブログを書きたいこともある。愚痴かもしれないが、テレビをつければ被災地の惨状やら福島原発やら出てきて、「がんばろう!日本」とかで被災者を励まそうとしているが、何かがずれているような気がする。今でも、みんなリーマンショック以降の不況下を頑張って生きているのに、いまさら何を頑張るのだ。国家など税金ばかり取るばかりで、別に国民に仕事を与えるわけでもない。大勢が低賃金で耐えて「頑張っている」わけである。オーバーワークしている人々からすれば、「?」以外の何ものでもない。

 テレビにつられて「がんばろう!」と励まそう人たちは、本音ではない。被災者はスケープゴートのようなもので、「もっと不幸な人がいるから…」というネタに過ぎない。本当に「がんばろう!」というのなら、家族と別れ、家も捨て、仕事も捨てて、一からスタートして見本を見せてもらいたいものだ。頑張ろうにも、頑張るための土台がない。

 所詮、他人事であり、無責任な発言である。本当に自分がその立場に置かれたら、「がんばろう!」と叫ぶ連中がかなり偽善的に聞こえるだろう。そう、彼らの多くは、どん底を経験したことがないのだから。我が輩とてまだまだ甘い。こんなブログを書く余裕があるのだから。

 同情はしても、自分が体験するわけではない。「苦しいだろうが、頑張ってくれ(私でなくて良かった…)」。こういうことだ。被災者と一緒に苦しみ、仕事し、特殊な世界を味合うものだけが、被災者と分かち合えるのでは。

 こんな感じではマンダラ思考させられ、大勢が「被災者の立場」を本当に味あわさせられるような気がする。次の自然災害か、もしくは福島原発のメルトダウン…。特に後者は可能性が低くなくて、死の灰がまき散らされるかもしれない。現に、原発の循環システムは崩壊しているわけで、ただ冷却のために海水で洗い流しているだけ(汚して海に戻す。永遠と)。格納容器やら圧力容器にはすでに穴が開いているようで、システムの復旧も無理らしい。蒸気性でない放射物(プルトニウムとか)が大規模に出ていないことだけが救いだが、いつ爆発して飛び散るか分からない。とんでもない原爆が秒読みかも知れないのに、政府やらマスコミは黙っている。パニックになって経済システムやら社会秩序が崩壊するのを恐れているからだ。

 そうなると今、ミネラルウオーターやら納豆、ヨーグルトが品切れになっているより遥かに深刻な事態が起きるだろう。きっと缶詰やら米やら塩やら油やら買いだめが起こるだろうし、逆にブランドやら奢侈品は売れなくなるか。しかし本当に爆発したら、みんな逃げるから、そこにある生産設備やらルーチンワークを「頑張る」こともできないわけだ。「助けて!」と叫ぶしかない。しかしやっぱり自分で「頑張る」しかないわけか(??)。その時点で、多分、国家財政が破たんし、大インフレーションが起こるか。

 マイナス思考でグダグダ書いて恐縮だが、経済大国日本といえども、グローバル経済の中の一つにすぎない。利益を生み出す企業体の集積の上に成り立っており、国家財政は単にそれから税金をとってきたものにすぎない。税金をばらまいたり、補償補償では持たない。現に財政赤字は今でも酷すぎるのだ(1000兆円だ)。まずは税収を増やすために、個人というより「会社が頑張らなければならない」が、電気も出ない状況では話にならないし、そもそもデフレ不況、産業の空洞化で日本には頑張るビジョンすらない。何を頑張るのか? もっと具体的に、寄付を頑張る、今ある仕事を頑張る、ボランティアを頑張る…、いろいろありすぎる。

 カスタネダ流にいうなら、今あるエネルギーを増やすのを頑張るというのことになるのだが(それで「見る者」になれるようだ)。