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映画 202 日本と再生

2017-12-12 22:21:03 | 映画観賞・感想

 脱原発運動をけん引する弁護士・河合弘之氏は「原発を無くしても、自然エネルギーで地域も経済も再生できる」と信じ、世界の自然エネルギーの実情を知る旅に出た様子を追う映画である。それはツルース(Truth)か? それともフェイク(Fake)か? 

                  

 12月10日(日)午前、エルプラザにおいて映画「日本と再生 ~光と風のギガワット作戦~」の上映会が開催された。
 映画はこの映画の監督でもある河合弘之氏と環境学者の飯田哲也氏がドイツをはじめ世界各地のエネルギー事情を視察する様子を追った記録映画である。

 脱原発運動をけん引する河合氏が作る映画であるから、当然世界の流れは脱原発に向かっていることを強調する内容だった。
 印象的だったのは、ドイツ国内のあらゆるところに林立する風力発電の風車の壮大な光景だった。ドイツは福島原発事故を受け、それまでの原発推進から一転して脱原発を打ち出したことは多くの人が知るところだ。
 映画の中で、そのドイツについて、ドイツはフランス原発で発電した電気を輸入している電力を賄っていると主張する原発推進派からの攻撃についてドイツ高官は次のように回答した。
 ヨーロッパの場合、電線網が国境を越えて張り巡らされているそうだ。したがって、フランスからドイツに入る電気量は確かに多いが、それはドイツを経由して他国へ送られる電気であって、ドイツが購入しているものはごく一部だということである。総量としては、むしろドイツからフランスに送られる電気量の方が多いというドイツ高官の話が紹介された。

 またアメリカ国防省が軍隊キャンプなどで積極的に自然エネルギーを取り入れようとしている例や、中国が想像していた以上に自然エネルギーに傾注している事例などが描かれていた。

               
               ※ この映画を製作・監督した弁護士の河合弘之氏です。

 映画の上映が終わった後、監督の河合弘之氏と北海道教育大釧路校の准教授で自然エネルギー発電の実践者である平岡俊一氏のミニトークがあった。
 その中で河合氏が強調されたのは、2015年に締結されたパリ協定によって潮目が変わったと強調した。それまで温室効果ガスの排出規制に強硬に反対してきた中国、インドなど、そしてアメリカも含めて全110の国と地域が締結した協定は、全世界が自然エネルギーへの転換を目ざす契機となると確信すると河合氏は語った。

               
               ※ トークに登場した平岡俊一道教育大准教授です。
 
 原発廃止論と温室効果ガス問題は、厳密にいうと分けて論じるべき問題かとも思うが、河合氏は原発を廃止し、自然エネルギーの導入を主張している観点から同一線上の問題ととらえているということなのだろう。
 河合氏は主張した。原発は経済的にも大きな負担(事故や廃炉)を背負うものであり、今や自然エネルギーの方が経済的にも環境的にも、クリーンで安価な電力が供給できる環境が整った、と…。
 ただ、原発推進派の人たちの力も根強いものがあり、それに負けないよう粘り強くその優位さを説いていく必要があると強調された。

 原発問題については、脱原発派も、原発推進派も、自派に都合の良い情報のみを喧伝するところがあるようだ。何がツルース(真実)で、何かフェイク(嘘)か、私たちは注意深くニュースや情報に当たらねばならないと思っている。

 



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