田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 終着駅 №288 

2020-11-05 15:48:36 | 映画観賞・感想

 1953年(昭和28年)公開の白黒映画である。全編のほとんどがローマ中央駅(テルミニ駅)で撮影された映画である。夫や子どもがある身の女性が旅先のローマで恋に陥ってしまうというストーリーは昭和28年当時、我が国ではどのように受け止められたのだろうか?

          

 道民カレッジ事務局がフィルムライブラリーに所蔵するフィルム(DVD)を定期的に公開する「懐かしのフィルム上映会」がコロナ禍のために久しく休んでいた。その上映会が会場を広いところに移し、換気対策もしっかりと行いながら先月10月より再開した。私にとって「懐かしのフィルム上映会」は楽しみの一つだったので、喜んで参加した。その再開の第1回目が10月27日、28日の両日開催され、私は28日の回に参加した。そしてその際に上映されたのが「終着駅」だった。

     

     ※ 映画の舞台となったローマ・テルミニ駅の構内です。

 映画のストーリーは上述したように米国人の若い人妻メアリー・フォーブス(ジェニファー・ジョーンズ)が数日のローマ見物で、一人の青年ジョヴァンニ・ドナーティ(モンゴメリー・クリフト)と知り合い、激しく愛し合うようになってしまった。彼の激しい情熱に、メアリーは米国に残してきた夫や子どもことを忘れてしまうほどだったが、しかし彼女には帰国する以外になすすべはなかった。帰国を決意してローマの中央駅にやってきたが、そこにジョヴァンニがやってきて彼女の帰国を押しとどめようとする。ストーリーの大半はその中央駅での二人のやり取りに終始する。

 結局メアリーは後ろ髪を引かれる思いを残しながらも中央駅から旅立つことになる。ということはメアリーにとってローマの中央駅は「終着駅」なのだろうか?私には「始発駅」の方が相応しいのではとも思うのだが、制作者(監督)としてはメアリーの一つの恋の終わりという意味をタイトルに込めたのかもしれない。

     

 ところでリード文の疑問だが、ストーリーは明らかに人妻の不倫の話である。このようなストーリーが戦後からまだそれほど日が経っていない日本においてどのように受け止められたのだろうか?我が国においては今もって不倫は非難の対象であり、許されざる行為とされているが、あるいは当時からハリウッド映画においてはそうしたストーリーを真正面から取り上げることに対して、私たち日本人は米国をどのような思いで見ていたのだろうか?何ごとにも自由の国アメリカなどと受け止めていたのだろうか??

※ 掲載の写真は全てウェブ上から拝借しました。

 



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