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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

岩田公雄 時代の風を読む

2012-06-29 22:33:25 | 講演・講義・フォーラム等
 読売テレビ放送の解説委員である岩田公雄氏の講演を聴くのは2度目だった。以前聴いたときにはその政治評論が表層的な感じがして物足りなかったのだが、今回は以前より氏の率直な意見を聴くことができたように思えた講演だった。 

 6月27日(水)午後、札幌グランドホテルにおいて「読売北海道セミナー」が開催され、「時代の風 ~政治・経済の変化を読む~」と題して岩田公雄氏が講演した。

          

 岩田氏は自らの来歴を語りながら、日本の政治を観察するとき20年くらいのスパンで見ていくことが必要であるとした。そして現在の政治状況は1993年頃の政治状況と酷似しているとした。
 1993年、日本の政治は小沢・羽田グループが自民党を離党し、日本新党、さきがけなどの新党が誕生し、小沢氏が画策して8党連立の細川政権が誕生した年だった。
 その後には自社さきがけ連立政権が誕生するなど政治状況が混乱していた様子は現在の状況と酷似している、と説いた。

 現在の政治状況はその20年前の再来のように感じられるが、小沢氏にはかつてのような影響力はもはやないのではないか、さらに20年前と違う要素として橋下徹氏が率いる大阪維新の会の存在があるとした。維新の会が日本の政治状況に大きな影響を与えるためには石原東京都知事との連携がカギとなるだろう、とも指摘した。

          

 そして喫緊の話題としては、小沢氏と石原氏が連携するという薩長同盟はないだろうと見立てる中、42・51・53・54という数字が重要な意味を持ってくると説いた。
 その意味するところは、小沢グループの離党者が42名を数えたとき、すでに離党している新党きずなの9名と合従することにより51名の新党が誕生する。そしてその数が53名になると与野党が同数となり、54名で民主党は過半数割れするということだ。
 政治がさらに混迷を深めるのか、あるいは一筋の光明を見いだせるのか、ここ数日の動きから目が離せないと説いた。

 一方、経済状況はどうかというと、1989年12月には株価が38,915円という史上最高値を記録したが、1990年の大発会から下がり始めた株価はとどまるところを知らず、失われた10年、いや20年とも称される悲惨な状況が続いている。
 IT時代を迎え教育がより重要性を増してきた。ゆとり教育を改めフィンランドの教育に学び、人的資産を形成してことが日本の成長戦略に繋がる。

          

 日本は過去に2度の危機を乗り越え、蘇った経験を持っている。一度は明治維新であり、いま一度は太平洋戦争での敗戦である。3.11という未曽有の大災害に遭遇したが、今の困難な状況を乗り越える可能性を日本人は有していると信じる。
 イギリスのシンクタンクは2050年の各国のGDPを予測したが、それによると日本は中国、アメリカ、インドに続いて第4位と予測されている。これはおおいに心強い予測である。

 また、かつて日本の経済が好調だったころは世界各国からBashing(バッシング 手厳しく非難)された。そしてアメリカは日本をPassing(パッシング 通過)して中国を相手とするようになった。さらに日本の経済が傾き始めると、Missing(ミッシング 欠けている)JAPANとか、Nothing(ナッシング 何もない)JAPANとか称されたこともあった。
 しかし今、アメリカのシンクタンクの「日本論」によるとRising(ライジング 上昇する)JAPANと称し始めたところもある、と記者らしい表現で語った。

 岩田氏は言う。
 日本には再び上昇するポテンシャルがある、と…。
 一日も早く政治を正常化することによって、経済の再興を果たしてほしい、と締め括った。

 以上、部分によっては私の恣意的な解釈や誤解があるいはあるかもしれないが、大枠においては間違っていないと思う。
 岩田氏が語ったことの中には他の多くの政治記者が解説していることも含まれてはいるが、岩田氏の普段の言動からするとかなり踏み込んだ発言を聴くことができた講演会だった。



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2 コメント

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岩田氏の講演 (ちゃんこま)
2012-06-30 05:17:13
 岩田氏の講演会、なるほど、現況をつかんだ話で、聴いてみたかったです。今の政治の流れを明治維新や薩長同盟に見立てたり、日本が世界からどのように見られているのかなど具体的で、迫力のある内容のように感じました。岩田氏の講演を聴くのは2度目とありますが、岩田氏はこれからも札幌で講演をすることがありそうなので3度目の時は聴きに行きたいなあと思いました。読売新聞社は3度目を予定しているようですか?
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Re:岩田氏の講演 (マル)
2012-07-01 13:04:54
 読売新聞が講演会を予定しているかどうかはまったく分かりません。実は私が聴いた一回目も読売新聞の主催ではなく、札幌信金の講演会でした。
 岩田氏が北海道の出身者ということですから、これからも北海道で講演をする可能性は大だと思います。ですから絶えず情報をキャッチするように心がけてくださいとアドバイスするしかないですね。
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