田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

葬送の現場を知る人から学ぶ

2017-10-11 17:26:12 | 大学公開講座
 葬送という話題は重い話題ではあるが、私たちにとって避けてとおれない話題でもある。その葬送の場に長く携わってきた講師が、葬送の現場について語りつつ、私たちに今一度人の死について考える材料を提供してくれた。 

 10月10日(火)午前、札幌大公開講座「地域創生入門」の第3講が行われ受講した。第3講は、第2講に引き続き、(株)ティ・エムの社長である田村麻由美氏「葬送の現場から」と題して講師を務められた。
 田村氏は、葬祭ディレクターを務めながらも、グリーフケアアドバイザーであり、復元死化粧師でもある。(グリーフケアについては、前回のレポを参照ください。⇒

             
             ※ 講師の田村氏の写真は、氏の会社のホームページから借用させていただきました。

 田村氏はまず、「葬儀までの流れ」を次のように図示された。
 ・ご臨終 ⇒ ・搬送・安置 ⇒ ・葬儀打合せ ⇒ ・納棺の儀 ⇒ ・通夜・葬儀・火葬 ⇒ ・帰宅 ⇒ ・諸手続き
 田村氏はこれら葬儀全般について遺族の意向を聞きながら、お世話するのが第一の務めなのだが、納棺の儀に際して遺族の希望により遺体の修復・復元も手掛けるという。また、グリーフケアアドバイザーとして遺族などのケアも心掛けているそうだ。

 田村氏は言う。人は最後まで尊厳を保っていたいものと…。生前は自分の心持ちや努力で尊厳は保てるが、ご遺体となってしまうと、そこに自分の意志はない。遺族がその尊厳を保つことを心がけるべきではないかという。
 遺体は、亡くなっているけど、亡くなっていない(そう田村氏は表現した)存在である。そこに修復復元の意味があるのではないかという。特に事故などで傷ついた遺体は修復してきれいな身体(顔)で送ってあげたいものだと…。

 田村氏はご遺族との対話の中で、故人は何を望んでいるのか?故人にとって最良の方法は?といったことを問い、ご遺族が故人に対してどのようにしてあげたいのかを伺い、その考えを最大限尊重していると語った。そんな中、故人の顔を見せないというお別れの形もあるとも紹介してくれた。

 近年は葬儀の形も様々なようである。多くの人を招く大規模な葬儀は減少傾向にあり、家族葬などごく親しい人によるお別れの場が多くなったように思われる。また、散骨や樹木葬など規模だけではなく、その形態にも変化が見られるようだ。
 時代と共に変わりゆく葬送の形だが、あくまで故人の尊厳を損ねない形での葬送が望まれることはいうまでもない。
 そのために、田村氏はグリーフワークは終末期から始まるともいう。延命治療について、葬送の形態について、家族に本人の意思を伝えておくことが大切だと…。
 
 今回、田村氏は私たち受講者に対して会社が制作している「エンディングノート」をプレゼントしてくれた。これまで何度かエンディングノートを書くチャンスがあったのだが、つい書きそびれていた。今回は本腰を入れて、自分の死ということを想定しながら一度書いてみようと思わせてくれた講義だった。

 また、田村氏は講義の中で印象的な言葉をたくさん紹介してくれた。その一部をここに書き止め、講義レポを閉じることにする。なお、田村氏の言葉を私がメモしたものなので、あるいは正確性に欠けていることがあるかもしれないことをお断りしておきます。

  親を失うと過去を失う
  配偶者を失うと現在を失う
  子どもを失うと未来を失う
  恋人を失うと夢を失う

 ・人が死んだ後に残るものは、集めたものではなく、与えたものである。

 ・若くして亡くなる人は命のはかなさを、長く生きた人は命の尊さを教えてくれる。



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2 コメント

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Re:ありがとうございます (田舎おじさん)
2017-10-11 20:18:47
 またまたのコメント、ありがとうございます。
 はたして田村様がおっしゃりたかったことをレポすることができたかどうか、少し不安もあったのですが…。手元が暗くワープロを打つのが結構困難な状況だったものですから…。

 田村様が一瞬胸が詰まったときは、「あゝ、仕事に真剣に向き合われている方なんだなぁ」と聴いていた私まで胸が熱くなりました。
 二度にわたるご講義ありがとうございました!
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ありがとうございます (田村麻由美です。)
2017-10-11 18:56:27
このたびも受講くださりありがとうございました。
そして今回もブログに書いていただきありがとうございます。

今現在、緩和病棟にて頑張って生きておられる方のお顔の修復をと、先日ご相談お受けしておりまして…講義の中、涙が溢れてしまいました。
お聞き苦しい点がございましたことお許しくださいませ。
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