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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

グリーフケアって何?

2017-10-06 17:07:21 | 大学公開講座
 人の死などについては、できれば避けて通りたい話題である。しかし、考えようによっては、人の死は自分のすぐ隣にある問題でもある。身近な人の死をどう受け止めるか、について考える機会をいただいた。

 札幌大の今回の公開講座「地域創生入門」は、「地域社会における介護と看取り」というある意味重いテーマを取り上げ、学生や私たち受講者に、人の死について考える機会を提供してくれている。

 10月3日(火)午前、シリーズ第2回目の講座が開講された。
 この回のテーマタイトルは「ご遺体の尊厳とグリーフケア」と題して、グリーフケアアドバイザー1級取得者でもある葬儀関係全般を扱う(株)ティ・エムの社長である田村麻由美氏が務められた。

               

 さて、タイトルの疑問であるが、ウェブ上の英和辞典によると、grief(グーリーフ)は「(人の死などによる深い)悲しみ、嘆き、苦悩」を指す言葉である。そしてcare(ケア)はすっかり日本語化した言葉だが、「世話をする。看護する。面倒をみる。」と解釈すべきだろう。
 そうすると、grief care(グリーフケア)は「子どもだけでなく、配偶者、親、友人など大切な人を亡くし、大きな悲嘆(グリーフ)に襲われている人に対するサポートのこと」という意味になる。
 このグリーフケアに関わっているのが講師の田村氏である。

 田村氏はグリーフケアアドバイザーとしてだけではなく、復元死化粧師として死者に特殊メイクを施すことで遺族など関係者の心の負担の軽減にも努めている方なので、タイトルを「ご遺体の尊厳」と付けたが、このレポではグリーフケアに絞ってレポしたい。

 田村氏は言う。人のグリーフ(悲嘆)には個人差があると…。ショック・麻痺・否認・不信感・パニック・不安・恐怖・激情・怒り・自責・寂寥感・喪失感、などなど…。
 したがって、グリーフケアも様々であることを忘れてはいけない、と強調した。
 まずは、悲嘆にくれる人から言いたいことを吐き出させるように傾聴する姿勢で臨み、家族やその人の身になって聴き取る心構えを持つことだという。励ましや激励は禁句だそうだ。また、同情することも効果がないという。
 ケアする側が気を付けなければならないことは、「共依存」状態になること、また「共感疲労」になることも避けるようすることが大切であるとされた。「共依存」、「共感疲労」については、説明が難しくなるので興味のある方は調べてほしい。

 そして最後に田村氏は「人には命の定めがある。(定命)」とされた。「人の一生は砂時計のようなもの」であり、「命を与えられた瞬間から、すでに残りの時間は決められている」という。
 田村氏のこの言葉は、人はつねに死と向き合いながら生きていかねばならない、ということを指摘した言葉と私は受け止めた。誰も自らの残りの時間は知らないのだから…。

 この講座全体の企画者である札幌大の本田教授が、学生たちに向かって「どう死ぬかを考えながら、どう生きるかを考えてほしい」と語った言葉と相通ずるものと受け止めた。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます。 (田村麻由美です)
2017-10-06 19:31:55
たまたま検索していて
このブログを読ませていただきました。
先日はお聴きくださりありがとうございます。
それと…
とってもわかりやすく書いてくださり嬉しかったです。
ありがとうございましたm(._.)m
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田村さまへ (田舎おじさん)
2017-10-06 20:35:32
 コメントありがとうございます。
 まさか講師の方から直接コメントいただけるとは思っていなかったので、驚いています。
 私たち一般人はふだん〝死”のことについては考えないようにしているところが多いように思います。
 しかし、今回の講座は敢えてそこを見つめてみよう!と企画された講座と受け止めています。
 そうした中で、田村様の講義はいろいろと考えさせてもらい、得るところの多い講義でした。
 講義内容を十分に表現することはできませんでしたが、「とてもわかりやすく…」と評してくれたことが、私にとっては嬉しいコメントでした。
 ありがとうございました。
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