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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

講演会「2021年の経済動向と投資トレンド」

2021-02-16 16:09:51 | 講演・講義・フォーラム等

 講師の岸氏はなぜあのような暴言を発したのだろうか?氏の気に食わない相手に対して「クソ」とか「アホ」などと評し、おまけに「てめえの身は、てめえで護れ」など聞くに堪えない言葉遣いは、私の岸博幸観を根底から覆すものだった。岸氏のお話には耳を傾ける内容もあったのだが…。

            

 前日(2月13日)の長谷川幸洋氏の講演に続いて、翌14日午前、同じくロイトン札幌において「道新資産運用フェア」、「道新不動産投資フェア」において慶大教授の岸博幸氏の講演があり拝聴した。岸氏は2021年の経済動向と投資トレンド」と題して講演された。

   

 私には不動産もなければ、今さら資産運用に興味があるわけではない。しかし、中央で活躍する(?)言論人が講演するのを直接伺うことは、参考になることこそあれ無駄なことではあるまいと考え、お二人の講演を拝聴しようと思ったのだ。

 岸氏は日本のコロナ禍対策の話から入った。岸氏は、我が国が緊急事態宣言を一か月延長したのは医療崩壊が危機的状況にあったためだとし、厚労省の愚策を「クソ」と罵り、西村経済再生大臣を「アホ」と片付けた。つまり医療崩壊の危機を招いたのは厚労省と西村大臣、そして小池東京都知事だと非難した。さらには日本医師会が重障者ベッドの増加策に非協力なことも併せて非難した。岸氏から見ると、政府をはじめとして関係者の対応に腹を据えかねたのだろうが、あまりの言葉の汚さに聴いている私は辟易してしまった。私は言論人としての岸氏をそれなりに注目していたつもりだったが、こうした言葉遣いを聴いて果たして正当な言論人と考えていいのだろうか?と疑問を抱いてしまった。他の聴衆はどんな思いで岸氏の言葉を聴いていたのだろう?

 次に東京五輪問題だが、岸氏の見立ては「間違いなく実施する」ということで、前日の長谷川氏とは真逆の見立てをしてみせた。その理由として、IOCはグローバルなビッグビジネスを展開していて、中止に出来るはずがないという。また、菅政権としても支持率アップのためにも是が非でも実施したいと考えているとした。岸氏はまた傍証として、アメリカでは日本以上のコロナ禍の中でもプロスポーツが実施されているではないかと指摘した。

また、森喜朗氏の問題発言については、一部メディアと一部野党が問題拡大を図ったと指摘したが、この指摘はややうがち過ぎではと私は聞いたのだが、果たして??

 続いて岸氏の専門(?)である経済問題に話は移っていった。我が国のコロナ禍はワクチン効果により、やがてウィズコロナの時代からアフターコロナの時代へ移行していくであろうが、日本経済が立ち直るには時間がかかると見通しを語った。それは、日本経済は欧米と比較して生産性が低いことにあると指摘した。経済に疎い私は生産性が低いということがどのようなことを表すのか定かではないのだが、岸氏は次のようにも指摘した。「日本の潜在成長率はアメリカの半分である」と…。その証拠として、12年前のリーマンショックに遭遇した後の日本経済の立ち直りは世界でも最も遅いとした。(空白のうん十年?)

    

 したがって日本経済の再生の見通しは暗いという。そのため、日本国民のコロナ後の暮らしは、経済の先行き以上に暗いと岸氏は予想する。現在でも世界一の借金国とされる我が国は、将来の増税は避けて通れるはずはなく、就労者の75歳定年制は常例となり、社会保障の仕組みは危うくなるとした。医療費、介護費、保育費の自己負担割合は増加し、国が国民を護ってくれる割合が減じられてくるという。つまり日本の将来、人々の生活は岸氏に言わせると「てめえの身は、てめえで護れ」ということだと述べた。

 その対策として岸氏は大きく二つの提案をした。一つは、自己収入の増加策、そしてもう一つは自己資産の運用、だという。自己収入の増加策とは、個々人のキャリアの中でできるだけ多い収入を得る努力をせよ、ということのようだ。二つ目の自己資産の運用は、文字どおり自らの資産の運用を図り資産を増やせ、ということだ。その自己資産の運用について、岸氏の助言は「長期投資と分散投資を徹底すること」とし、その理由を述べて「ともかく小額から始めてみよう!」と述べ講演を終えた。(その後、会場との質疑応答で2~3のやり取りがあった)

 さて、岸氏の言葉遣いの酷さだが、私には不可解でたまらない。なぜ公衆の面前であのような言葉遣いをしたのだろうか?時折りマスメディアに登場する言論人(と称するに相応しいかどうか議論のあるところだが)の中に、破天荒な言論を展開する方が見受けられるが、それは敢えて自らキャラ立ちすることによって、マスコミ界を泳ごうとする狙いが見て取れるが、まさか岸氏もそれを狙っているわけではないと思うのだが…。

 



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