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グレン・S・フクシマ氏 日米間の協調の必要性を強調!

2023-12-06 16:11:14 | 大学公開講座
 日系三世で、米国通商代表部に籍をおくなど大変な経歴をお持ちのグレン・S・フクシマ氏のお話を聴いた。時間不足の感もあったが、アメリカ側から見た日本と米国の協調の必要性を強調されたお話と受け止めた。

 昨日午後、札幌大学ブレアホールにて札幌大学と北海道インターナショナルスクール(HIS)が共催する講演会が開催されたので聴講の機会を得た。
 講師はその経歴を拝見しただけで眩暈がしそうなほどの輝かしい経歴をお持ちのグレン・S・フクシマ氏「次世代が築く日米間の政治、経済、外交、ビジネス、教育分野における共通ビジョン」と題して講演された。
        
 まずフクシマ氏の学歴であるが、スタンフォード大、ハーバード大大学院、さらにハーバード大のビジネススクール(M.B.A.)、ロースクール(J.D.)を卒業(修了)した上、慶応大留学、東大法学部での研究の実績もあるなど学歴だけでも輝かしい。
 実社会においては、大手法律事務所、米国大統領府通商代表部に席を置き、日本担当部長を歴任するなど、日米の経済問題を担当された。
 通商代表部を辞した後は、AT&T社(米国電話電信会社)の副社長を務めたり、米国を代表するような会社社長を次々と歴任したりするなど、経済、法律に精通した素晴らしい実績と経歴の持ち主である。
 フクシマ氏は「日米間には主として七つの課題が横たわっている」とした。その七つとは、①経済(Economy)、②ビジネス(Business)、③技術(Technology)、④政治(Politics)、
⑤軍隊(Military)、⑥外交(Diplomacy)、⑦教育(Education)、の七つであると指摘した。
 フクシマ氏のお話を伺って驚いたのは、まるで日本生まれではないと思われるほどの流暢な日本語を話されたことだ。聴衆の中にアメリカからやってきた留学生もいたので、話の合間には彼らに英語でも解説を加えながらの講演だった。
       
 さて肝心の講演の内容であるが、日米間(あるいは日本と世界)に横たわっている多岐にわたる課題をわずか1時間で言及するのはどうしても無理がある。したがって、各論において深く言及するよりは、メディアを通じて専門家が言及することをおさらいするよう内容になった面は否めなかった。
 その中でフクシマ氏が何度も口にした言葉は “連携・協力” という言葉だった。例えば、経済において「経済安全保障を確立するためには多国間との協力が必要である」とか、ビジネスにおいて「企業が競争力を発揮するためには、他企業との連携・協力が欠かせない」といったように…。そのことは技術面においても、日本の安全保障の問題についても同様だった。
 それはフクシマ氏の認識が、グローバル化した現代において「一国主義などは、もはや通じない」と言っているように思えた。フクシマ氏も言及したが、1970年代の日本は米国の社会学者エズラ・ヴォーゲルが「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といった著書を著すなど飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、もはやそうしたことの再現は望むべくもないと指摘したものと受け止めた。
 世界が、企業間が連携・協力を推し進めねばならない時代に、日本の若者の海外志向が萎んでいる現状をフクシマ氏は嘆いた。フクシマ氏は我々日本人を励ました。「日本の初等教育は高いレベルにあるのだから、高等教育においてもそれは継続できるはずだ」と、そして若者たちは積極的に海外を目指すべきだと…。
        
 最後に、多くの札幌大学の若者たちが受講する場で「日米の若者がリーダーシップをとって日米間、あるいは日本と世界が連携・協力する体制を構築していくような世界を目ざしてほしい」と強調された。
 輝かしい経歴をもち、多くの貴重な現場を体験されたフクシマ氏のお話はとても魅力がある。今回のお話はその入り口に過ぎなかったのではないだろうか?できれば再びフクシマ氏のお話を拝聴してみたい。


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