北一条通という札幌市のメイン通りの一つである「国道12号線」に面したところに二つの歴史的施設が並び建っている。このことからも二つの施設が札幌市がまだまだ発展する前に建設されたことが偲ばれる。
札幌市の北一条通りを車で走っているとサッポロファクトリーの隣に明らかに周りとは雰囲気を異にする一角がある。そこに建っているのがカトリック北一条教会の聖堂と司祭館である。
※ カテドラルホールの前景、玄関方向から写したものです。
最初に建てられたのは「司祭館カテドラルホール」の方である。資料によると札幌におけるカトリックの布教は、1881(明治14)年、植物採集家としても知られるフォリー神父によって始められたそうだ。フォリー神父は1898(明治31)年に札幌軟石の壁に瓦屋根を組み合わせ、1階を司祭住宅、2階を会堂とする建物を建てたという。その後、聖堂が建設されたりしたことから、建物の目的も変遷を重ねて現在は教会のホールとして活用されているということのようだ。
※ カテドラルホールを横から写したものですが、割合小ぶりな建物です。
※ 窓の枠の上部にみえるものが「まぐさ石」と呼ばれるもののようです。
建物は外から見ると、シンプルな二階建てであるが、質素ながらも力強さを感じさせる造りである。窓や出入口の上には水平に渡したブロック石が見られ、これは「まぐさ石」と呼ばれるもので、ギリシャの古代建築にも見られるものだそうだ。
《カトリック北一条教会司祭館カテドラルホール 情報》
◇所在地 札幌市中央区北 1条東6丁目10
◇建設年 1898(明治31)年
◇構 造 木造一部石造
◇指定年 2008(平成20)年3月26日
◇その他 内部は非公開
◇訪問日 2021年10月24日
※ こちらは「聖堂」です。わりあい可愛い印象ですね。
そのカテドラルホールと繋がって隣に建っているのが「聖堂」である。「聖堂」の方の建物はキノルド神父が札幌に赴任した翌年の1916(大正5)年に建設されそうであるが、その時直ぐに「聖堂」になっているかについては調べきれなかった。私が調べたところでは、戦後になって1953(昭和28)年になってカトリック札幌市教区が成立したことにより現在の建物が大聖堂となったようだ。
※ ステンドグラスも外からではその美しさが分かりません。
その「聖堂」は、小ぶりな木造一部石造りの建物であるが、ロマネスク風の中央の塔や左右のゴシック風の小尖塔、外壁や窓には連続した装飾が施され、その外観は中世ヨーロッパの教会の雰囲気を漂わせているとも言われている。
今回は内部を見学できなかったが、聖堂ではコンサートなども催されているとも聞く。機会があればそうした催しに参加し、内部も見てみたいと思う。
《カトリック北一条教会聖堂 情報》
◇所在地 札幌市中央区北1条東6丁目10
◇建設年 1916(大正5)年
◇構 造 木造一部石造
◇指定年 2008(平成20)年3月26日
◇その他 教会行事がなければ見学可 ※事前に許可が必要
◇電 話 011-231-4189(カトリック北一条教会)
◇訪問日 2021年10月24日
※ 二つの施設は写真のように隣り合っています。
※ 二つの歴史的な建造物の横には近代的な教会の関連施設が建っていました。