田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

地域のブランド力を高めるために 後編

2018-09-08 19:45:56 | 講演・講義・フォーラム等

 基調講演(昨日投稿)に続くパネルディスカッションは北海道内において活躍する三氏によって「すごいぞ!北海道のブランド力」と題して語り合った。ただ、決定的な提言があったかというと、それは“?”だったろうか?

  ※ まだまだ今回の地震に関しては行方不明者がいたり、液状化現象で自宅が損壊を受けたりする方々が多数いらっしゃり同情な思いが強いのだか、私のブログにおいては一区切りつけて、日常の日々を綴っていきたいと思う。

 

               

 ということで、三日前の前編に続いて後編をレポしたいと思う。

 

 伊藤亜由美氏の基調講演に続いて、三氏が登壇してのパネルディスカッションの登壇者は、帯広で十勝農業をガイドする会社・いただきますカンパニーを経営する井田芙美子氏

大樹町において民間ロケットの開発をするインターステラテクノロジス社長の稲川貴大氏

転入者によって町の人口が増えるなど勢いのある東川町をリードする東川町長の松岡市郎氏の三氏が登壇し、HBCテレビアナウンサーの堀啓知氏が司会を務めた。

 テーマはリード文でも触れたとおり「すごいぞ!北海道のブランド力」というテーマだった。

 

 三氏はそれぞれの立場から、現在取り組んでいることをまずは披露された。

               

 井田氏は、十勝の農業の利点に気づき、それを発信する重要性に気づいたという。その利点とは、①十勝の農業の高い“質”、②安定した供給力、③美しい風景、だという。この優位性を発信していくことの大切さに気付き、発信していこうとしたという。

                

 稲川氏は、南十勝(大樹町)の広い土地、東側(南側)に海があることはロケットの発射基地として一つの資源であると指摘した。その広い土地が、ロケット発射基地としては、単に射場として優位なだけではなく、ロケット工場を隣接できる優位点も指摘した。

                

 また、松尾氏は東川町には東京(都会)にはない利点が沢山あるとした。そのことを松尾氏は“疎”の魅力であるとした。“疎”であるから自然の写真の素材が溢れていることから「写真の町東川」としてアピールもしたし、子どもの遊び場を確保できると広言している。そうした魅力が移住者を呼び寄せる要因ともなっているのではないかと話された。

                

 三氏の発言は、堀アナウンサーの巧みなリードによって、多岐にわたってたくさんの発言がなされたが、概ね前記したようなことだったと思う。

 

 私は三氏の議論を「あゝ、どこかで聴いたことがあるなぁ…」と思いながら聴いていた。

 というのも、中央の識者が北海道において講演をするとき北海道へのリップサービスと言っていることと大差ないように思われたのだ。

 つまり北海道の魅力は、人が少なく、土地が広く、自然が残っている、という本州各地には無い点について指摘する。そしてそれが魅力であり、ブランド力だと…。

 しかし、逆に言えばそれは、日本の中心からは遠く、人的資源に乏しく、発展が遅れているということと同義語、あるいはそれに近いことであるように聞こえてくる。

 

 私たちの北海道が依然として中央から遅れているように見られているのは、中央から見るとデメリットに見える点を、反対に中央にはないメリットととらえて反転攻勢に出る人材に事欠いているということのように思うのだが、どうだろうか?

 今回のフォーラムは、基調講演をされた伊藤亜由美氏をはじめ、北海道の置かれた現状に果敢に挑戦する4氏のお話であり、実践であったと思う。

こうした方々が北海道の中から百出してくること、それこそが今北海道に求められている最大の課題ではないか、と考えた今回のフォーラムだった。