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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 66 恵庭岳〈ポロピナイコース〉(1319.6m) 後編

2016-09-23 21:17:35 | 北海道低山紀行 & Other
 “おそれ”の山・恵庭岳は予想どおり険しく、厳しい山だった。3時間を超える厳しい登りの連続は、私をおおいに苦しめた。苦しんだ後には、素晴らしいご褒美が待っていることを信じて登り続けたのだが…。

 霧が漂う針葉樹林の中を進むが、霧は薄くなるどころか、ますます濃くなっていくように思えた。
 斜面は間断なく急角度で登っていく。途中で支笏湖が望めるのではと思われる地点があったが、濃い霧はまったく支笏湖を見せてはくれなかった。

            

 登り始めて2時間が経とうとしていたとき、凄い斜面が現れた。コース上に「登り専用」と書かれたコースである。見ると何本ものロープが垂れ下がったロープ場である。ロープがなければ、私のようなものはとても登れない。そのロープ場がおそろしく長いのである。(100m近くあったのではないか?)
 その上、あまりの急斜面のため上からこぶし大の岩石が時おり転がり落ちてくるのだ。私が登っているときにも3~4個落ちてきて冷汗をかいた。それまでに体中汗まみれだった私の身体に、さらに冷汗が加わり、大変思いをしてそのロープ場を乗り越えた。

            

            

            

 ロープ場を超えて、雑木林を抜けたところが第一見晴台だった。ガイドブックでは「その名の通り一気に展望が開ける地点で、爆裂火口を挟んで頂上岩塔が望まれ、眼下には紺碧の支笏湖の湖面が広がる」とあるが、両者ともにまったく見えず、濃い霧の中だった。

                     
 もう展望は望むべくもないが、第二見晴台を目ざして出発しようとしたところ、「この先はさらに険しいルートです」と書いた立て看板があり、「えーっ、あのロープ場より険しいところがあるんだろうか?」と若干ビビったが、せめて第二展望台まで行かないと恵庭岳に登ったことにはならないと、カラ元気を出してスタートした。

            

 なるほど急斜面は続いたが、ロープ場のようなとんでもない急斜面は現れなかった。途中で私を追い抜いて行った人が降りてきた。「第二見晴台は凄い風ですぐに引き返してきました」と話しながらすれ違った。
 第一見晴台から50分、第二見晴台に到着した。すれ違った人が話していたとおり、第二見晴台は濃い霧に包まれたうえ、強風が吹き荒れていた。そこには「恵庭岳」の表示が掛けられてあったが、おそらく本来の山頂まで行くのは危険なために、山頂には向かわないようにという措置なのだろう。
 私を追い抜いて行った何人かとは、その後すれ違わなかったので、おそらく警告は警告として、自己責任で山頂に向かったのだろう。私にはそのような勇気も、元気も、根性もない。私の中ではこの第二見晴台を恵庭岳の山頂とした。
 長時間の苦闘は報われず、少々むなしい山頂となったが、これも自然の一面である。

            

            

            

            

 風の強い第二見晴台を避け、風が当たらないところで一休みして下山に移った。
 下山もけっして楽ではなかった。登る際に苦労した一段一段の落差の大きさが膝に響く。できるだけ膝に負担をかけないようにと慎重に下山を続けた。

            

 登りで3時間超、下りで2時間超の山は私の登山歴の中でも長い方に属する。こうした長い時間に耐えうる脚筋力が相当に衰えていることを自覚させられた恵庭岳登山だった。
 長時間の登山が厳しくなってきたのかもしれない。それでも楽しむ方法はあると思っている。まだまだあきらめないぞ!

 そんなことを思いながら、登山口に着いたところ、駐車場はいっぱいだった。おそらく最盛時には30台くらいの車が駐車していたのではないかと思われた。やっぱり恵庭岳は人気の山なのだ。

            

【恵庭岳(ポロピナイコース) 登山データ】
標 高  1319.6m (標高差  1,010m)
駐車場  登山口のところに30台程度駐車可能
行 程  ※ グランドシニアの足とお考えください。
     登山口→(2時間25分)→第一見晴台→(50分)→第二見晴台(仮の山頂)→(25分)→第一見晴台→(2時間)→登山口 
時 間  上り(3時間15分) 下り(2時間25分) ※ 休憩時間含む
天 候  曇り、第二見晴台は霧、強風
登山日  ‘16/09/22